人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「文学全集を立ちあげる」

「文学全集を立ちあげる」_a0079948_3354517.jpg
「文学全集を立ちあげる」 
丸谷 才一、三浦 雅士、鹿島 茂
自分で勝手に編集長気取りで夢の雑誌を妄想したり
するのはなかなか楽しいものですが(たとえば、
表紙を大好きな誰誰さんにして、巻頭でこんな特集
持ってきて~みたいな)、文学のプロの3人が、
「今作るならこんな構成で」と架空の文学全集
立ち上げ会議をする、という設定で作られた
文芸鼎談。これが、めちゃめちゃ面白かったです。
有名作家や、名作とされる作品も「あれはよく
わからない」「あの作家に長編でよいものは無い」
とか、容赦なし(笑)。お互いひいきの作家を


落選しないように必死で擁護したり…対談形式なのでとても読みやすいし
いろいろな文学作品(世界編と日本編に分かれてます)のタイトルが
次々と出てくるので「わーこれも読んでみたい」とか、「こんな作品が
あるんだ」みたいな感じで、読書欲(しかも歯ごたえのある文学作品も
たまには読むかね、的な)があおられること請け合いです。

私も今度、漫画好きの友達と「理想の漫画全集」について語りながら
お酒でも飲んでみたいなーと思いました(笑)。

定価650円(税込)→実感価格1000円(154%)
これは自分としてはかなりお買い得でした。名作をだらだら並べるんじゃなくて
今を生きるわれわれ、あるいは今から書いていく作家たちにとってこの作品は
読む価値があるかどうかネチネチ(褒めてます)検証していく様がこんなに
面白いとは! お値段以上ニトリ本です(笑)。
by tohko_h | 2010-04-23 23:32 | reading