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脱落本。

最近、昔だったら信じられないようなことをしている。

それは・・・

「読んでいてあまりにもつまらない本は、思い切って途中で読むのをやめてしまう」
こと。

以前は、どんなにつまらない本でも読みきっていた。
で、そのつまらなさをブログに書いたり(笑)、友達にぶつけたり、なぜこんなに
つまらなくなっちゃったのか考えたり(あるいは自分にとってはつまらなくても
どういう人だったらこの本を好きなのか考察したり)・・・
縁あった本とは、どんなにつまらなくても、最後までお付き合いしていたのです。

でも、このごろ、それができなくなっています。

読書以外にも好きなことがたくさんできたり仕事が忙しかったりして
読める量に限りができちゃったから、その中でこんなつまらないの
読んでられるか!的に思うようになったというのもあるし。

私がつまらなくても誰かには面白いんだろう、と相性の問題として
割り切れるようになったというのもあるし。

文体とかが生理的レベルで合わないと、ストレスにすらなるので、
自分の心の平安のためにやめたほうがいいな、ということもわかったし。

というわけで、途中で本を見捨てる罪悪感より、やめる勇気を持てるように
なりました。

「こんなつまらないの、よみたくない…」と、こらえ性がなくなってきた
だけかもしれないけど(笑)。

というわけで、最近の脱落本を2冊。タイトルと脱落理由を軽く。

「愛してよろしいですか?」田辺聖子
鴨居まさねさんがマンガにしてた田辺聖子作品が面白かったのと、
昔読んだ「ジョゼ」がよかったので、ほかのもちまちま読んでるけど、
どうもしっくりこないのが多くて数冊途中放置中の田辺作品。これは、
OLさんと年下男性の恋愛ものなんだけど、会話自体は軽妙だけど
恋愛の進行するテンポが自分の感覚とあわなくて4分の1でやめた。
たぶん、田辺さんと私の男の趣味が違うんだと思う。私の好きな人は
「ソツなくて可愛げないわ」とか言われちゃうような気がする。でも
私は田辺作品世界で「かわいい」といわれてる男性のよさがいつも
わからないのだ。合コンに一緒に行ったとしたら趣味がかぶらなくて
ケンカにならない同士というか(笑)。

「晩夏のプレイボール」あさのあつこ
甲子園をテーマにした野球小説の短編集、というのに惹かれてつい
「バッテリー」の気持ち悪さ(野球の話を書きたいんじゃなくて、野球を
している天才少年萌え~っていう小説だと分かって読めなくなった)を
忘れて手にしましたが大失敗。第1話で打者の男の子が「何も考えずに
バットを振るんだ」的ポエムモノローグを延々と続けるところでもう脱落。
「考えて野球せい」という野村監督の言葉を進呈してさよなら~。たぶん
野球好きが読者じゃないんだと思う、この人の野球小説って全部。

いやー、誰かにとっては傑作でも、誰かにとっては苦行レベルに
つまらないこともありえる。当たり前のことだけど、本っていう商品を
作る側から考えると、それはそれでいろいろ考えちゃったり・・・

というわけで、田辺さんやあさのさんが作家としてどうっていう話じゃなくて
私が面白く読める本にそのへんが入ってこない、ということです。
まあ、服の趣味とかと同じことだよね、こういうのって。
by tohko_h | 2010-06-27 23:26 | reading