「エチュード」今野敏

a0079948_22194416.jpg
「エチュード」 今野敏
ドラマ「相棒」にハマッたり横山秀夫を一通り読んだりして、
警察モノが好きになった。事件を解決していく推理だとか
アクションとか駆け引きも好きなのだが、上司と部下、
同期同士、現場の人と別部署の人、などの間の軋轢や、
捜査で生まれる理解とか、そういう「企業小説」的
な側面に強く惹かれてしまうのですよ。私も
サラリーマンだから、共感しやすいのかもしれない。


そんな私にとって、この作品はまさにツボ!でした。
物語の軸になるのは、都内の繁華街で起こる無差別殺傷事件。
サバイバルナイフで大勢の人の前で人を刺したという大胆で
単純な事件だが、なぜか、警察は別人を現行犯逮捕してしまう。
「犯人逮捕に協力して一緒に押さえつけてくれてた人がいたけど、
気づくとその場から姿をけしていた。しかもその協力者のことを
思い出そうとすると、逮捕した容疑者の顔しか浮かばず、なぜか
協力者の印象が全く浮かばない…」と、異口同音に言う捜査員たち。
現行犯逮捕という非常事態だからといって、全員が全員…?

捜査一課のベテラン刑事・碓氷(うすい)も捜査に加わることになる。
刑事はたいていふたり1組で捜査に当たるものだが、今回、彼の
相棒になったのは、警察庁心理捜査官の若き女性・藤森紗英だった。
スタイルの良い美人で、とっつきずらそうな若き専門家…困惑しつつも
彼は、彼女をリードして自分なりのスタイルで捜査を開始する…

というわけで、若い女性部下を持った40代男性の困惑、という部分が
コミカルに描かれているところはところどころユーモラスでもある。
彼女が特別だからご飯に誘ったわけじゃないし…妻子もいるし、とか
いちいちちょっとだけ葛藤しちゃう碓氷が人間っぽくていい。また
美人な相棒を持った彼にからんでくる同僚刑事などの大人げない感じも
こーゆー人、普通の会社にもいそうだな、とリアルである。そして
彼女が最初は、警察庁からの客扱いだったのが、仕事を通して周囲の
信頼を勝ち得ていくプロセスも痛快。犯人逮捕という同じ目的に向かい
不器用ながらもがんばりつづける警察官たちがいとおしくなるような
描き方が、とてもよかった。ヒロインが細身でクールな美人ってことで、
映画の「相棒」で美人警視庁職員を演じてた小西真奈美のイメージが
読んでる間ちらついたけど、それはそれでいいかも。と思った。

定価1600円⇒実感価格1600円(適正価格です!)
[PR]
by tohko_h | 2011-01-23 22:36 | reading