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「熱海殺人事件」NEXT~くわえ煙草伝兵衛捜査日記@紀伊國屋ホール

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熱海の海岸で女が死んだ。工場勤めの
大山という男が同郷の女を殺したという地味な
殺人事件であることが許せない木村伝兵衛
部長刑事と、愛人のおてんば刑事ハナ子は
大山を一流の犯人に仕立て上げようと、
取り調べを開始。ふたりにあきれながらも、
富山から転任してきたもうひとりの刑事も、
そのねじれた捜査に巻きこまれていく…

つかこうへい25歳のときの作品。木村伝兵衛が
女性だったり女装趣味の男だったり(阿部寛)
だったり、いろいろなバージョンで上演されてきた。


当日券を待つ人たちの行列に並び、当日券は買えず…キャンセル待ちで
ぎりぎり入って見てきた2度目の熱海殺人事件。
1度目は、パルコ劇場で、阿部ちゃんの女装あり歌ありでかなり話題になり
その後、阿部ちゃん自身も俳優としてグッとステップアップしたという記念すべき
「モンテカルロイリュージョン」をかなり前に、観た。
これは、阿部ちゃん演じる木村刑事部長自身も別の殺人事件の容疑者で、同時に
取り調べられていく、みたいな話である。

今回は主演の木村刑事部長が山崎銀之丞(つか芝居の常連である)、
富山から来た熊田刑事が武田義晴(この人もつか作品で見かけること多い)、
そしてイケメン集団D-BOYSの柳下大が犯人の大山役をつなぎ姿で。
紅一点で、女性刑事から、回想シーンの被害者女性まで熱演するのが
ハセキョーこと長谷川京子。という不思議キャスティング。

この4人がほとんど出ずっぱりでセリフの応酬だけで話が進んでいく(大山の
殺人のデティールを作り替えたりお互いの心の傷口に塩を塗り込めあったり)
見る方も、たぶん演る方も、ものすごーくカロリーを消費するタイプの芝居。
休憩なしでぶっ通しのハイテンションに、見ててくらくらしました。

この、言葉だけでくらくらできるのが、つかこうへいの芝居の魅力であり基本だと
私は思うので、とても楽しくてエキサイティングな時間を過ごせました。

普段、仕事でちまちまと修正したりもしてる差別用語の類を腹式呼吸でバンバン
役者さんたちがたたみかけていくところも、とっても快感(笑)。
しかも、えぐいセリフを言う役者さんの表情はとても神々しかったり美しかったり
するところも大好き。

…美しいと言えば、生ハセキョーの美貌、凄かったです。
活発な女性刑事役にあわせて黒っぽいシャツとパンツにネクタイ、というマニッシュな
カッコで、黒髪を無造作ポニーテール。爪と口紅の赤だけが残像として幕が下りたあとも
残ってる感じ。舞台役者さんと比べると顔のサイズがほんとに半分ってのにビックリ
しつつ、何度も見惚れてしまいました。
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by tohko_h | 2011-02-10 14:47 | watching