闘う編集者の本2冊
2011年 03月 28日普段はあまり読まないようにしてるんだけど(ふがいない自分を思って
凹むしね!)、ふと続けて読んでみたら面白かったし、自分の仕事との
距離とか向き合い方を客観視して「闘うというよりは遊ぶ、というこの
ユルさを大事にしつつ、いざという時は丸腰じゃないように知識と経験は
ちゃんと年相応に積まねば」と思えた。
時々、知人などに「知り合いが編集希望なんだけど」とか、アドバイスとか
就職活動の相談らしきことを求められるんだけど…「本作る編集って
ステキかも」とかつての私みたいに甘い妄想気味に思っている志望者が
読むのも刺激的でいいかも。それで「私には向いてない世界かも」と
進路変更してもいいし、「うわ、面白そう。絶対、本作る人になる!」と
興奮したとしたら、その人は、少なくとも私よりは、向いてる(笑)。
「噂の女」神林広恵
「噂の真相」の編集者だった著者の、取材や裁判
などのもろもろを描いた記録。短大を卒業後、
ふつうの会社でお勤めしていたのに物足りなく
なり、22歳で転職した若い女性が、クセのある
上司や同僚にもまれ、取材相手と闘い、そして
たくましくなっていく…と書くと暑苦しい熱血成長
物語風ですが、本人いたってクールなのがいい!
「薔薇族編集長」伊藤文学
ゲイのための情報誌「薔薇族」編集長の、創刊
から読者との対話などをすべて綴った自伝的
ノンフィクション。自身は同性愛者ではない彼が
偏見などに苦しむゲイ読者と向き合い、話を
とことん聞く姿勢にうたれた。好きなジャンルや
得意分野じゃない仕事にぶつかって悩んだときは
「ゲイじゃない人が薔薇族を作ったんだ!」と
思い出して心の支えにさせてもらおうと思う、マジで。