「47都道府県女ひとりで行ってみよう」益田ミリ

※この感想文は、かなり、この本が嫌だった、ということをネッチリと
自分なりにどう嫌だったか書いているので、この本や著者のファンの方が
読んで不愉快になる可能性、かなり高いです。言い訳じゃなくて予告しときます。

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「47都道府県女ひとりで行ってみよう」
益田ミリ(幻冬舎文庫版)
私は旅行がかなり苦手です。ヒマがあれば自宅や
いきつけのデパートやお店など、日頃からなじみの
場所でリラックスしてるほうが嬉しいし、
知らない街を歩いてみたい欲が普通の人の
10分の1もたぶん無いんじゃないかと思います。
そういえば学生時代も修学旅行や泊りがけイベントは
正直大嫌いだったし、今は今で子供のいない気楽な
OLという立場上、休むというと「どこか旅行
行くの?」と訊かれる場合が多くていちいち困惑したり。


そんな「旅行しなくても平気」というか「なるべくしないでいたい」に
限りなく近い私ですが、40歳も近いし、これって趣味もないし、時々は
旅行もいいかなーと思い、こちらの「女の人がひとりで1ヶ月に1県、と
行き先を決めて行き当たりばったりでゆるめに旅をする」というコンセプトの
エッセイに手を出してみました。
ゆるい旅本を読み、自分にもできそうな旅ならありかな、とか思えれば
いいかなーと思ったのです。

でもね。
この本は、むしろ、私みたいなのじゃなくて、旅行が大好きで行きたいんだけど
今はいけない、という旅心に苦しんでる人が読むのに適している気がします。
異様に著者が、つまらなそうにつづる旅先のエピソードを読んでいるうちに、
どこかに行きたい気持ちは萎え「家でのんびりしてようかな…」と思い直すに
違いありません。旅行に行きたくなくなる旅行本!だったのです。

著者は、旅先で頼んだ食事が口に合わないと(でも「おなかいっぱいで全部
たべられなくてごめんなさい」とお詫びすることもできず)食べ残しをこっそり
バッグの中に入れたりするレベルの、旅以前に、街歩きもヤバくね?みたいな
行動を次々と取るのです。
あるお店に体験(よく観光地にあるコケシ作りとかお菓子を焼くとかそういうの)
に行ったときは、自分から店員さんに「体験お願いします」と声を掛けられず
うろうろしてあきらめて帰ってきて、店の雰囲気のせいで言い出せなかった、
みたいに自分の小心さを無視してちょっと不機嫌になったりしてます。

自虐もノロケも最低限の節度と、すがすがしく突き放して書く「芸」がなければ
ただの愚痴や色ボケトークになるんだな…これは、自虐じゃなくて愚痴であり
旅先の嫌だったことに対する恨み節に限りなく近かった残念な1冊だったように
思います。

旅行やイベントのあとに書くんだから、たとえば嫌だったことも書くにしても
最後は「まー、こんなところは悪くなかったけどね」的なフォローがうそに
ならない程度にあってもよかったんじゃないかなーと思いました。


…というわけで、私もこの本のフォローをしてみようと思ったけど、すみません、
無理です。私の周囲の旅行好きな友達に話を訊いたり、鉄道やおいしいものが
大好きな酒井順子さんのエッセイ読んだりするほうが、普通に旅に行きたく
なりそうな気がしました。

というわけで、旅行がすきすぎて年中行きたくて困る。旅行嫌いになりたい、と
いう人にだけお勧めしちゃおっかなーとも思います。あ、でも、そういう人なら
「私だったらちゃんと楽しい時間を持つことができる!」と私とは別の角度で
いらだつだけかも(苦笑)。
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by tohko_h | 2011-04-15 23:13 | reading