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うれしい大当たり本! 名言の嵐「ピーコとサワコ」

こんばんは。
セクシーな素足の女になりたくて、シャネルで奮発してちょっと
ダークな赤マニキュアを買って塗ったら「何か足の上にものを落として
足の爪が全部血豆状態になった人」にしか見えずにがっくりきている
tohkoです。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
私は、血豆ネイルな足から目を背け、むちゃくちゃ面白い本を読む
幸せにひたっておりました!

うれしい大当たり本! 名言の嵐「ピーコとサワコ」_a0079948_2348698.jpg
「ピーコとサワコ」ピーコ×阿川佐和子
おしゃべり上手なふたりが、気ままに時事問題
からテレビ業界の裏側、昭和の紳士録やファッション
についてなどなど縦横無尽に対談する…という企画
だけで既に面白そうな雰囲気の1冊ですが、これが、
本当に思った以上に面白くて、おおあたりでした。
文庫化したばかりで書店などにも割と目立つように
平積みされてると思うので見かけたかたはぜひぜひ
ごらんになってみてください。お勧めです!


私がテレビなどで見ているピーコさんと阿川さんのイメージだと、
オネエキャラの走りとして毒舌&厳しいファッション美学を語る
ピーコさんと、活発なお嬢さんがそのまま大人になったみたいな
愛されキャラの阿川さん、という感じなのかな、と思ってました。
しかし、大切に家族から育てられた愛され系お嬢さん(?)だったのは
どちらかというと実はピーコのほうで、阿川さんは厳格な父親のもと
いろいろ萎縮して育ち、いじめられ経験もあり人の顔色を伺ってた
若い時期もあったということが多くのエピソードを交え語られます。
この意外な導入部からひかれます。

中にはいろいろな印象的な人たちやエピソードが出てきて、それに
ついてお互いフォローしてみたり突っ込みいれたり、このまま、
M-1(もうなくなっちゃったけど)に持っていけるかもってくらい
会話として面白く成り立ってて、あっという間に1冊読めました。
文庫版には、震災後に顔をあわせたふたりの特別対談もついていて、
今までの価値観の中では生きられない、というシビアかつ真実に迫る
話から「震災後は高いワインからガンガン開けるようになった」と
言う現実的なお話まで全てリアルに感じられました。

いくつか、あまりにもぐっと来てしおりを挟んだフレーズをご紹介。

名言その1)
20歳前のとき洋服メーカーで働いていた若き日のピーコが、苦手な
取引相手のところに行くのやだなーと思っていたら、当時の先輩にこう
言われたそうです。
「一番嫌だと思う人のところに朝一番に挨拶に行くんだぞ。
そうすれば、その日はもう一日行かなくてもいいから、すごく
気持ちが楽になる。後回しにすると、行きたくないけど行かなくちゃって
一日中嫌な気分なんだよ」って。だから私(ピーコ)は、それからどの
世界に行っても、嫌だと思う人ほどぶつかっていく。」

ピーコさんいわく「そうやって長く生きてるとそのうち、嫌な人がいなく
なるのよ」…この域にたどり着いてるのもクールでカッコいい。
これを読んで私がグッと来たのは、まずは、苦手な仕事を後回しに
すると1日中嫌な気持ちってのはホントそうだなーってすごく納得して、
先に処理するほうがいいに決まってるよなーってところ。なんか悟った。
仏でも神でもなく、ピーコさんで(笑)。さらに
長く生きているとそのうち嫌な人がいなくなると言い切れるところも
羨ましい。私なんてまだ「この人が死んでも葬式行きたくないし、むしろ
家でこっそりダンス踊っちゃうかも」っていう人が正直脳内に、ほんの
ぽっちりだけど実はいたりするし。はやく「嫌な人がいなくなった」と
さわやかにいえるくらい長く生きたい。

名言その2)
ピーコさんの友人であり、面倒見のよい恩人でもある永六輔さんの
エピソード。若いときはいろいろ教えてもらったり怒られたりしてた
けど、気づくと最近…で、ピーコさんから永さんに直球で「このごろ、
ぜんぜん怒ってくれなくなりましたね」とその思いをぶつけたときに
帰ってきた言葉がカッコいい。そして自分の友人関係についても
考えさせられます。
「おすぎとピーコは僕の中では縦糸の友達だから。一過性の
友達は横糸だけど、織物っていうのは縦糸が決まらないと成り
立たない。僕はこの人は縦糸の友達って決めたら、その人のいいところも
悪いところもひっくるめて友達だと思うから、どんな嫌なことを言おうと
どんなバカなことをしようと、もういいんだ。だから、言わないんだよ。」

長く人生に沿って続いていく縦糸の友達と、ある瞬間ふとふれあいそして
分かれていく一過性の横糸の友達。深いなーって思いました。

もちろん、かつてファッションチェックでならした毒舌も健在。
「顔がかわいい子なら何着せたっていいと思うの。でもチンクシャな子には
チンクシャの洋服があるでしょうよ(笑)。それ着てればかわいいのよ」
「ドン小西、人のこと言えるようなカッコしてないじゃん」などなど(笑)。

ピーコさんと女性の対談といえば、昔女性ファッション誌でやっていた
山田詠美との対談もなかなか面白かったけど、そちらは毒×毒って感じで、
ダサい人は死ね的な勢いが酷くて読んでて割と落ち込んでくるんだけど、
こちらの阿川さんとの対談は、すっとぼけてたり、意見が対立しても
お互い「やーね」「だからダメなのよ」(なんかこう書いてると阿川さんも
オカマみたいだ…)とふわっと揉めてたり、読むと元気が出る感じがします。

疲れてる人にも、なんか行き詰まってる人にも、自己啓発書の類より
ぴちぴちの生きるための知恵や言葉が詰まってるいい1冊です!
by tohko_h | 2011-08-08 23:50 | reading