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「われにやさしき 人多かりき 私の文学人生」田辺聖子

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田辺聖子
田辺聖子全集についていた自著解説(著者自らが
その作品を書いたときの状況や書いた動機、書いた
時の工夫などを明かしたある意味究極のネタバレと
いうか、最強の解説というか)だけを1冊にまとめた本。
全集を読んで無くても、丁寧な作品解説や書いた意図、
作者の作品への愛着のこもった文章を読んでいると逆に「あ、これ読んでみたい」と、
全集が欲しくなってしまいそうな罪作りな1冊です。もちろんこれだけでも
作家・田辺聖子の創作の秘密、として読み応え十分!

中に、ある作品の中で、ヒロインが外見的には2枚目じゃない男の人に惚れてしまうという
ストーリー展開を用いた、というところで、こんな鮮やかな解説が登場。

「醜さ、というものは、男の内面と呼応したとき、セクシーになり得る。そこが
女と違うところで、女の生きにくいところでもある。」


読んでて、イタかったけど、うーん確かに、と思ったりもした。

男性は、仕事の充実とか、しぐさがきれいとか声がいいとか、外見以外の要素が
魅力的だと、不細工でも「味」になる生き物ですよね、確かに。でも女性の場合
ほかがどんなにステキでも「でも、可愛くないじゃん」でスパッと切られておしまい、
みたいな場面が多い気がする。まあ、男性と違って女性は化粧があってよかったね、
という感じでしょうか(笑)。

ああでも、今裁判してる、出会い系殺人の容疑者の女性とかはある意味、何かと
呼応してあの太めな感じもブリッ子で変な服も色気につなげて、何人かの男性を
ひっかけるのに成功したんだよね。女性でもそういう才能の持ち主はたまには
いるのかもしれない。

そういえば、先日、テレビで、伊勢谷君とウエンツ君という、本当に彫刻的に整った
部類のイケメンふたりと、ファニーフェイスで時々気持ち悪い表情も見せる森山未来君が
3人で楽しそうにロケをする番組を見てたんだけど…顔の造作で言えば、森山君は
失礼ながら、イケメングループとは異質なんだけど、異様にチャーミングなんだよね。
お酒の飲み方もふざけ方もウエンツからのいじられ方も(笑)。そして確かに一番
色っぽいのは森山くんかも、と思いました。きっと田辺先生が見てもそういうような
気がします。まあ、面白くないとモテない文化、でおなじみの関西の作家さんなのも
ポイントですよね、田辺聖子先生の場合。

ああ、でもこういう感じで、造作が美しすぎる男の人っていうのは「イケてないけど
魅力的な男の人」の引き合いにされたり、同性から嫉妬されたり、それはそれで
大変ではありそうだ。そして私はなんやかんやいって伊勢谷君は好きだ(笑)。
by tohko_h | 2012-02-27 16:02 | reading