何をもってアンフェアというか。

全国の高校で卒業に必要な世界史などの科目の授業が
行われていなかった問題で、伊吹文明文部科学相は「卒業証書を
出すまでに、学習指導要領で決められた授業を受けていただくよう、
各都道府県に厳正に通知する」と述べた。
文科相は「高校生に責任はないが、まじめにやって受験した人と
履修漏れの形で受験した人の間にアンフェアな条件の違いがあっては
いけない」とした。 (時事通信) - 10月27日12時0分更新


ここ数日世間を賑わしている履修漏れ騒動ですが・・・
「高校生に責任はないが」と言いつつ、お目こぼしなしってことは
結局とばっちりは受験生に来ると思うんですが、本当になんとか
ならないものでしょうか。レポートか問題集配って自習!くらいで。

第一、在学中に、学習指導要領って・・・教わる生徒のほうは意識できる
ものでしょうか?
大学だと、自分で時間割全部決めて単位取らないと、っていうことで
イヤでも自前でなんとかしないと卒業できないから単位数は計算してたけど、
高校までの時間割って、多少の選択の幅はあっても、基本的に受身というか
学校が与えてくれるものだったから、その授業のコマ数に疑問なんて
自分は感じたことなかったなー。そりゃ受験生だから自分の点数や
偏差値とか、いろいろな数字に囲まれてはいましたが、必修科目の数なんて
意識せずにやってました。

私の出た高校は、1年生は全員世界史必修だったんですが、当時は
世界史が死ぬほどダメダメだったので(日本史とか古典においての
暗記は得意だったんですが、世界史はダメでしたねー。中国の
王朝名とか歴代のヨーロッパの王様の名前とか(○世、の数字だけ
違ったり)、覚えようがないだろう!みたいな怒りさえ感じてました(笑))
「なんで来年の選択になったら日本史取るって決めてるのに、1年
ムダに世界史をイヤイヤやらされるんだろー」って苦痛に感じてました。
今回の事件があって「あー学習指導要領的に無理に世界史1年は
やらないといけないことになってたのね」って初めて知ったのでした。

この大臣の「アンフェアうんぬん」の発言はいかにもお役所的だと
自分的には思います。っていうか、もともと、受験なんてアンフェアも
いいところなんですって(笑)。たった1度の試験で受け入れる人を
選ぶって言うシステムが、フェアなわけないんです。経済的な差とか
住んでる地域とかアレコレの物理的な差も物をいうし、基準があいまいな
推薦入学とか、そのへんはどうなのよ、とか、とくに私立大学の入試は
あれこれ矛盾みたいなものをはらんでるわけで、それをいちばん
わかってるのは、現場の先生と現役受験生なわけです(と、
地方在住で庶民の娘だった私はあえて力説しちゃうんですが(笑))。
その凸凹してるのを判ってて、安全に手堅く行くか、ギャンブルで
記念受験に走るか(笑)、それぞれが賭けるわけです・・・なので
もともと不公平とかアンフェアなものがちらほらしてる受験ワールドで
これくらいのことで「アンフェア」って凄く悪いことをしたみたいに
世間が騒いだり、学校名を連日鬼の首とったみたいに報道するのって
なんか変なのーって個人的に思ってたら、今朝のスパモニ!で
やはり、橋下先生が「役人の人たちは自分の子供たちは一貫校に
入れて、公立教育のことなんてリアルにわかってない!」とズバっと
おっしゃってて、すっきりしました。学習指導要領を決めてる文部省側に
落ち度が無いのか、現場のことわかってなさすぎじゃないのか、とか
他のメディアももっとそっちをたたいて欲しいくらいです。
実際、学習指導要領の範囲を越えた問題が解けないと入れない
大学が多いのも事実。それで、塾に行くとか国立私立の名門高校に
行って、その「指導要領を逸脱してる分の受験指導」を受けないと
歯が立たない・・・私が受験生だった大昔でもすでにそういう矛盾は
ありました(うちの高校はただ同然で補習とかいろいろやってくれたので
そのへんはほんとうに感謝してます)。格差社会っていう言葉が世間に
出回るずーっと前から。
指導要領と現実の入試の間の溝を埋める手立てを与えられる子と
与えられない子で結果に差が出てしまう現実のほうがよほどアンフェア。

最後のほうで橋下先生が「世界史の補習なんて受けなくても
塩野さんの「ローマ人の物語」とか「蒼穹の昴」読めばいいんですよ」と
さらっとおっしゃってたのを聞いて「橋下先生も蒼穹の昴お好きなんだ!」と
浮かれつつも、行きの電車でモヤモヤこんなこと考えちゃいました。
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by tohko_h | 2006-10-27 13:21 | drops of my days