消して欲しい日本語。

仕事柄、差別表現に対して敏感でいなければいけないし、
そういう表現を校正作業で直すのも仕事のうちだったりする。

しかし、それって同時に「この言い回しは差別表現だから」と
この世から消していって、その結果、次の世代は、テレビでも
出版物でも規制されてるから、その言葉を知らないってことに
なっていくと思う。つまり、未来の世代のボキャブラリーが
貧しくなることは必然というか。差別表現があることを知り
そういうものにぶつかった時に胸が痛む、という経験を
自分でしないと感覚的に身につかない気がする。

ビューラーの件(下の記事参照)では気の合わない家人と私ですが
そういう話になると満場一致(2人家族で・・・(笑))となるので
ありがたいと思ってる。ファッション感覚が違う人とは暮らせるが
言語感覚が違う人とだと自分は難しい気がするから。

というわけで、やりすぎの言葉狩りはどうかと思うわけですが、
マスコミが頻繁に使っていて、よく目や耳にする言葉で
ふたつほど「この言葉は根こそぎヤメチマイナー」と思う言葉が
あります。

「いたずら」と「いじめ」。

「いたずら」は、性的に何か危害を加えたときに、「いじめ」は
いわずと知れた学校や職場での理不尽な個人攻撃の総称として
使われている。

このふたつって、内容は、人の人生とか生活とか破壊しちゃうほど
ひどいのに、言葉がポップ過ぎない?
「いたずら」は性的暴力(たとえ、最後までやらなくても心の傷は
同等なんだし)、「いじめ」は、上手い言い方が思いつかないんだけど。
どっちも、たいしたことなのに、それを呼ぶ言葉はあわくて
なんだか頼りないイメージ。どっちも、人間がやっちゃいけないこと、
というニュアンスが感じられない。呼び名を変えてもそういう犯罪が
なくなるとは思わないけど、もうちょっと、被害者の辛さを想像しやすい
具体的かつリアルに怖い言葉で言えばいいのに、と思う。
犯罪に見えないんだよ。

例えば「殺人」を「人あやめ」と言うことにしたりすると、なんだか
内容は一緒でも、ちょっとのんきな雰囲気になる気がしませんか?

実際、「いじめ」と新聞に見出しがついていて、読むと「暴行と恐喝と
名誉毀損」が総て含まれていたりして、加害者のヒドさも被害者の
辛さもこんなもんじゃないだろう、と違和感を覚えることが少なくなくて。

昔、男性器を「おちんちん」というのに対して女性のそれを明るく
あっけらかんと言いやすくてカワイイイメージで呼ぶ言葉が無い、と
論争になったりそれをめぐる小説が書かれたりいろいろしてたけど
そんなもんより、「言うたびに胸がむかつくような」現「いじめ」と
現「いたずら」の言葉を何か用意して欲しい、と思うのだ。
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by tohko_h | 2007-09-21 17:58 | drops of my days