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「心に龍をちりばめて」 白石一文

「心に龍をちりばめて」
白石一文
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誰もが振り返る美しさを持つ
34歳の美帆(ヒロイン)。
エリートだが酷薄な、
新聞記者の恋人。
そして、郷里の幼馴染で
背中に龍の彫り物と、
重い運命を背負った男。
ふたりの男とひとりの女。
愛憎の果てに待ち受ける
運命の審判は!?


美しいヒロインと、エリートだが冷淡な面を持つ恋人と、幼馴染で
龍の彫り物を背負ってる癖に相変わらず優しい男。ひとりの女と
ふたりの男が織り成す恋愛タペストリーは、キャラ設定もシンプルで
ストーリーにもよくも悪くもひねりがなく、真っ直ぐに進んでいく。
3人とも、それぞれの世界で成功者の部類に入るほうなのに、
自分ではどうしようもない容姿とか出自について色々苦悩しているのが
印象的。親についてあるわだかまりを持つヒロインにある人物が言う
「親をこっちからクビにしたと思えばいい」というようなセリフが印象的。
親にしたらたまらないと思うけど、世間では当たり前、と思われがちな
親の愛情を享受できなかった者にとっては救いになる考え方かも。
シンプルでさっぱり読めたし、嫌いじゃないけど、文庫で軽く買って
これくらいだと、うれしかったかも。というわけで、
(自分的プライス)
定価 ¥ 1,575 (税込)→自分的プライス¥525(33.333・・・%)


(類書はいかが?)←コーナー名募集中(笑)。
「私という運命について」 私が一番好きな(唯一かも?)白石作品。
ひとりの女性の29歳からの人生を描く。
仕事、恋愛、結婚、出産、と、女性が
悩んだり立ち止まったりする季節を丁寧に描いた名作です。
バイタリティのあるヒロインの率直さも好きです。
by tohko_h | 2007-11-16 22:57 | reading