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芸能モノ2冊「カウントダウンノベルズ」「枕女優」

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「カウントダウンノベルズ」
豊島ミホ
日本の音楽シーンをにぎわせる
アーティストたちの喜怒哀楽を
描いたオムニバス短編集。
CD売り上げ連続記録がかかった
歌姫の女性とか、その歌姫に
対抗して露出度の高い衣装を
身につけて激しくダンスする
関西弁の開けっぴろげな女性
アーティストとか、路上ライブで見出されてデビューに至った
女性シンガーとか「あ、これって」とモトネタ探しをしつつ読んでしまった。
企画としては面白いと思うのですが(ちなみにタイトルは「カウントダウン
TV」から取ったそうです)、小説としてはあんまり…というか、音楽が
物語の重要な役割を果たす小説って、凄く成立するのが難しいんだな、と
改めて思った。今回は、たとえば「これは〇崎あゆみのことだな」とか
既成のアーティストと重なるキャラが多かったので、読者に音の
イメージを喚起しやすかったと思うけれど、それでも、読んでいて何か
もどかしいというか、伝わってくるものが足りないような印象を受けた。


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「枕女優」
新堂冬樹
顔を変え、男たちに体を与え、
必死で役をもらい、芸能界で
生き残ろうとする弘子。
トップ女優の座のためなら
手段を選ばない彼女が得た
ものと失ったものとは??


「黒い太陽」でホストクラブやキャバクラの裏側を描いた新堂冬樹が
今度は芸能界の暗黒面を衝撃の小説化!
しかし、ヒロインが割り切って、スポンサーと寝まくるわけでもなく
だからといって戸惑って傷つくわけでもなく、キャラ立ちという面で
物足りなかった。ちなみに作者は芸能プロを経営しているとのこと。
てことは、この作者のプロダクションの所属女優さんって…と、
ついつい下世話なことを考えてしまったり。
どうせなら、上昇志向の異常に強い女性、とか、きょくたんな設定で
読んでみたかった。
by tohko_h | 2008-05-25 19:36 | reading