麻生さんと宮崎さんと漫画

日本を代表するアニメ界の巨人・宮崎駿監督の発言が
物議を醸している。
11月20日に日本外国特派員協会で行われた記者会見で、
麻生太郎首相が「マンガ好き」を公言していることに触れ、
「恥ずかしいと思う。それはこっそりやればいいことです」と
発言。この発言についてAFPBB(ニュースの発信元??)は
「熱心に漫画を読んでいることを首相が宣伝する必要はないという
考えを示した」としており、首相という立場で「マンガ好き」をアピールし
続ける麻生首相の姿勢に、宮崎監督が苦言を呈したということのようだ。

ところが、この発言の「恥ずかしいと思う。それはこっそり
やればいいことです」の部分が、ネットでは「マンガ好き=
恥ずかしい=こっそりやればいい」との極端な解釈を含みながら、
賛否両論吹き荒れる議論へと発展してしまった。


麻生さんが漢字の読み方をよく間違える、という報道が出た週の
週刊文春と新潮、どっちも「漫画ばかり読んでるからだ」的な見出しを
つけられていた。そのタイミングでこの宮崎発言である。

確かに、麻生さんの秋葉原演説とか、若者へのアピールに漫画を
使っている感じは私も好きじゃない。小泉さんはオペラ好きだったけど
サントリーホールの前で演説なんてしてなかったはずだしなーと思う。
親戚の子供相手におっさんが「おじさんも漫画好きなんだよー」と
ご機嫌取りしてるみたいないやらしさを感じる。
オレは首相で大金持ちだけど、漫画とか庶民的なものもたしなむぜ!
的なアピールしないで、ひとりで読んで楽しんでればいいよーとも思う
(しかし、麻生さんが首相に就任してすぐに、漫画専門書店とか
そっち方面の株価がちょっと上がったって報道もあったので、寒いけど
悪いこととは言い切れないのかも)。

まあ、アニメで稼いでいる宮崎さんが自虐的にこういう発言をするのは
まあ、めんどくさい人だなあ、と思うけどありだと思う。

で、この文脈を短絡的に捉えて「宮崎、漫画馬鹿にするんじゃねえよ」と
いきりたつのはおかど違いもいいとこだろう。

しかし、逆に「だよねー、大の大人が漫画を読むなんて、やっぱり
みっともないことなんだよ」と尻馬に乗って、漫画は下等なもの、
みたいな古風な固定観念にお墨付きをもらったみたいにうなずいてる人は
もっとおかど違いな気がする。
読書は想像力を養うけど漫画は奪う、みたいな説もあるけど、それだと、
数多くの同人誌とか、人気漫画のファンサイトとか、結末予想のあれこれとか、
2次的に読者が想像力を駆使して生み出してる創造物のあれこれ、は
なんなの?? 好きな作品に出会って、あれこれ想像して、というのは
漫画でも映画でも小説でも、やる人はやるけどやらない人はやらない。
それだけの話。

よく「いい大人電車で漫画を読んでるのはみっともない」とかいうけど、
私に言わせれば、人が何を読んでるかきょろきょろしてる人のほうが
よっぽどいい大人としてどうかと思います。
確かに子供の目にも映るかもしれない位置でエッチなのを読んでるようなのは
論外だけどね。

漫画に興味がないとか、漫画が嫌い、なら、そういえばいいのに、
なんか「下等なものだからよくない」とか、悪そのものみたいにうるさく
言いたがる人たちを見ると、逆に、たかが趣味の1ジャンルなのに
それだけ大げさに取り上げて…影響力とかそれなりにあるのを認めたく
なくて必死なのかな、とも思う。
別に嫌う理由なんてなくても、嫌いなら嫌いでいいんだよーと逆に
言ってさしあげたいくらいです。私だって、漫画は好きだけど、
「嫌いな漫画」はあります。漫画の場合は、絵があるので、生理的にダメーって
レベルの作品だってありえるもん。だから、漫画を嫌いっていうのは理解
できるんだけど、漫画を馬鹿にする、とか、大人が読むのは恥ずかしいって
感覚は良くわかんない。

いやね、もしも、将来うちに子供ができて、両親が漫画の会社で働いてる
って言って、よそで馬鹿にされたりするのかな、とか思うと悲しくてついね。

でも、新しい表現形式を受け入れるにはそれなりの時間がかかるのかもね。
歌舞伎だっていかがわしいって言われてた時代もあるんだし、
逆に、今は「アレは読み物としてどうよ」って言われてる携帯小説だって、
このまま続けば、1ジャンルとしてあり、になっていくのかも。

…漫画は、そろそろ、好き嫌いはさておき、人前で読んでてもおかしくない、
くらいの立ち位置まで認められてもいいような気がするんだけどなー。
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by tohko_h | 2008-11-24 11:37 | drops of my days