言葉の空気汚染
2009年 01月 31日駆け込み乗車に失敗して、ドアに手が半端に挟まるかっこうになった
女性がいた。確かにその姿は見苦しく「往生際が悪いし、はた迷惑」な
ものではあった。で、車掌さんが気づいてドアを開けたら、そこで手を
引き抜いてあきらめるかと思ったら、動いたドアを強引にこじ開けて
乗り込んできたのです、その女性。
(し、しつこいよ~)と思ってみてたら、私の斜め後ろくらいにいた
おじいさんが
「あんた、しつこいんだよ、バーカ。乗ってくんな」と罵ったのです。
たしかに、その女性はしつこい。
あつかましい。
鬱陶しい。
さっさと車両から離れろ。
全部正論です。
でもでも、その、罵ったおじいさんのほうが、私はイヤでした。
車両中の人がおそらく思っていたであろう「何こいつ」な思いを一人が
声に出してしまったせいで、空気がどよーんとした気がしました。
さらにびっくりしたのは、私も、そのしつこく乗り込んできた女性も、
ののしったおじいさんも、同じ駅で降りて同じエスカレーターに乗り込んだ
のです。同じルートで乗り換えるらしい。私は疲れていたので左側
(そのまま乗っている場所@都内)に寄りました。私の前にはさっきの
強引に乗車した女性が。すると、エスカレーターの右側(上る人が
通路として歩いていく場所@都内)から、ずんずんそのおじいさんが
乗り込んできて、エスカレーターの段を上っていき、私の横を通り抜け
私の前に立っていた女性の隣に立って顔を覗き込むようにして「バーカ」と
だめ押しして上っていっちゃったんです。
馬鹿という人がいちばん馬鹿、という言葉を思い出しました。
その女性がマナー違反でずうずうしいのはわかってるんだけど、だからって
あんた呼ばわりしたり馬鹿呼ばわりするそのおじいさん(しかもだめ押しで
電車降りてからもしつこく追ってきてまで)の負の根性というか、そこまで
するかー?のほうが、不快でした。