ミスター!ミスター!ミスター!

先月のある夜。

忘年会帰りのモテさん(夫)が、ミスタードーナツの箱を下げて
返ってきた。

「太るから甘いものは買うな、食うな」と口うるさいし、自分も
控えているのに珍しいねー、と喜びつつ受け取ると
「100円の日だったからさ」といい、すぐに1つ食べたいらしい。

で、お茶を入れて、箱をあけると・・・

ん??

ワタクシたちが普段好む、シンプルなフレンチクルーラーとか、
チョコリングとか、オールドファッションとか、
シンプル定番系が、いっこも入ってない。

フレンチクルーラーだけどチョコとかイチゴとかかかってる、
好み系と比べて、ちょっと甘すぎるんじゃ?系ばかり。
いちばんくどそうなイチゴクルーラーなんてふたつもある。
彼はもともと、新製品に食いついたりしないタイプ。
いつも同じものを同じ風に食べるのがいちばん、と思ってる人。
それが、この、定番の入ってないセレクトって、らしくない。

思わず「食べたことないのばっかり。珍しいねー」と言うと

「いやね、閉店間際でね。チョコリングとか普通のホームカット
みたいなのも残ってたけど、どれもいっこずつしか並んでない
状態でさー。それを5歳くらいの男の子が凄く迷って
お母さんにせかされながら選んでるんだよ。それ見たら
数少ないの買えないなーと思って、余ってる個数が多い
ほうから選んできた」

自分が優しくされたり(まあ滅多にないけど)したときより、
なんだか、この彼の発想と行動に感動して、甘ったるい
イチゴのドーナツも「なつかしのイチゴポッキーみたいな
えせイチゴ香料が美味しい!」と美味しく食べてしまった。

これが私だったら、さっさと好きなものを選んで、
何種類かのドーナツを「売り切れ」にして、迷っていた男の子の
選択肢を平然と減らしていたことでしょう。というか、ほかの
お客が何をどう買おうかなんて見てもいないと思う。

バーゲンや1着しかない服が欲しくて大急ぎで手を出した
ときみたいに。

それが、見知らぬ男の子が迷って選んでるのを見て
「選ばせてあげられる状態」を保とうと自分の買い物を
コントロールできるモテさんは、なんだかとても素敵な人だな、と
思ってしまったのです。変かな?

普段だったら「そんな知らない子のことほっといて、私の好きな
ものを買ってきてよ、バカー」とイヤミのひとつも言って
しまうくらい心根のいけてない私ですが、別に私にウケよう
とか、そんなのじゃなくて、ごく自然に、男の子にドーナツを
(厳密にいえば好きなドーナツを選びきれる可能性を)譲って
あげてきた、というその行動が、なんだかかなわないな~とか
凄いなーと思ったのでした。

仕事の面で尊敬したりはもちろんしてるんだけど、こういう
ちいさな面で、自分の想像の及びもつかないことされると
びっくりしつつ結構くるもんです。

※もしかして、この程度の「やさしさ」、大人としてはフツーなの??
 今年は、少しやさしさについて学ぶべき年なのかも私。


最近読んでみた某小説(作者・やっと会えたね(笑))で

「人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと
愛したことを思い出すヒトとにわかれる」という一節が出てきたんだけど、

私は、こういうささいな「こういう人がいたなあ」ということをぼんやり
最後に思いだせればいいなあと少し思う。
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by tohko_h | 2010-01-07 17:22 | drops of my days