<   2010年 04月 ( 45 )   > この月の画像一覧

「私たちには物語がある」 角田光代
a0079948_15224636.jpg
作家・角田光代のブックレビュー集。
文庫本巻末の解説、新聞や週刊誌
などに掲載されたものを1冊に束ねた
本好きで雑食の人にはきっと役立つ
1冊になることだろう。若いころに、
老編集者に「こんな本も読んでなくて
作家になろうとしていたのか」と、
あまり本を読んでいないことを指摘された
その日から、売れっ子になるまで、書評仕事を
断らず、多くの本を読んできた地道な角田さんの
読みっぷりは、よい意味で素人っぽい。


最近、普通に本を読む「読者」と違ってちょっとウルサイ読み手なのよ、
という自意識がにじむ「本読み」という言葉を時々目にするけど(おもに
書店員の誰それさんを持ち上げるときなんかに使ってますね雑誌とかで)
あれ、あんまり好きじゃない。物書きに対しての「本読み」なのかな?
と思いつつ、普通に「本好き」とか「読書家」でいいじゃん、と思う。
読むのにプロもシロートもないじゃん。
でも、角田さんの場合は、立派な物書き…作家なのである。
つまり、自分がお話を書いている人なわけで、プロとして「この作品は
(読者のシロートにはわからないかもしれないけどモノカキのプロの)
私に言わせれば…」と、上目線で書評を書いても成立する立場なわけだ。

しかし、角田さんは、書店の棚の前では、私たちと平等に、
本を愛する人間としてふつうにたたずみ、ふつうに感じたことを書く。
書き手目線じゃなくて、純粋に「私はこう読みました」という、感想文として。
そのえらぶらないところに、本が好きなんだな、という愛情を感じて
なんだか嬉しくなってしまう書評集だった。

週刊誌や新聞というメディアに掲載したものが多いため、直木賞受賞作と
なった東野圭吾「容疑者Xの献身」や、今、ドラマでも人気の横山秀夫の
「臨場」などのいわゆる売れ線の本のレビューが多いので、自分が
読んだときの感想と比べてみるのもオツだし、もちろん、未読の本を
「角田さんの説明文面白そうだから読んでみよう」もありだと思います。
連休前に発売したあたりがそういう意味でもタイムリーな1冊。

ちなみに角田さんがまえがきで書いている「嫌いな本」についての記述を
読んで、普段、嫌いな本を嫌いと一言で片づけ「300円…定価の半額」とか
ゲスな定価のつけ直しまでしている私はちと反省しました。

つまらない本は中身がつまらないのではなくて、相性が悪いか、
こちらの狭小な好みに外れるか、どちらかなだけだ。(中略)
つまらない、と片づけてしまうのは(書いた人間にではなく)書かれ、
すでに存在している本に対して、失礼である。


一字一句、その通りです。
私もなので「金返せ!」とか書いた端から「個人のブログだもん、
こ、これくらい…いいよね」と、後ろめたさをおぼえるときはあるんですよ。
それって、作家や出版社に失礼なことを言ってるからじゃなくて、
本そのものに対して「ごめん!」みたいな気持だったんだってことに
気づきました。

定価1470円→実感価格1470円(100%)
こういう軽い読み物は文庫でもいいんだけど、中におさめられた本が
古びてくるというか、今読むのがイケてそうなので、ハードカバーで手に入れて
読みたい本リスト作りに活用してモトをとるのが正しいかと。

というわけで(どういうわけだ)地味にランキング的なものに参加して
みました。一応登録したのですが何がどうなってるのかよくわかりません。
「知事」というカテゴリーなら日本一とる自信はないことないのですが
無難に読書ネタで(笑)。恥ずかしいので「押してね!」とか言えないけど
よくコメントで本ネタ好きです、とおっしゃってくれる方がいるので、
調子に乗って。
[PR]
by tohko_h | 2010-04-30 15:43 | reading

3月末から4月半ばまで怒涛の多忙な日々が続き、私の食生活は
荒んでいきました。
神保町ってランチとかいろいろあって楽しそう!とよく言われるのですが
カレー屋とラーメン屋が多く、和食が少なく、ホントはご飯に焼き魚、
みたいな和食が一番好きな私には割と不便なのです。

しかも忙しいときって「よーし、ここまでやってキリつけたからランチに
行くぞ」(弊社のランチタイムはフレックスです)と立ち上がったとたんに
電話がかかってきて「今から打ち合わせに伺います」と言われ着ていた
ジャケットを脱いでしょんぼり、みたいなことやってて夕方、みたいな悲惨な
スパイラルにハマることも。

なので、ご飯炊いて魚焼いて質素なお弁当、とか、おにぎりふたつバッグに、
とか、自分で簡単なお昼を用意して行ってました。忙しいときのほうが
お弁当率が上がるのは、そんなわけで。

で、そんな地味ランチをいろどってくれたのは、こんな笑顔…
a0079948_21365738.jpg


思わずニヤリ、と微笑み返ししたくなるでしょ、これ。
可愛い最中に見えて、実は…
a0079948_2137759.jpg


レトルトお味噌汁になってます。
a0079948_21371834.jpg


お湯を注いで混ぜるとお麩も入ってるお味噌汁になります。
a0079948_21372990.jpg


このおちゃめな商品、ちゃんとしたお味噌やさんの人気ライン。
美噌元というお店の美噌汁最中という商品です。
おにぎりをかじるとき、マグカップの中で作る温かなお味噌汁に
救われつつ、多々あったピンチを乗りきり、無事に4月売りの本、なんとか
なりました。これをくれたよし子たんありがとう!

ちなみにこれは、おにぎりに飽きてある日作ったいなりずし。ご飯にはゴマを入れてます。
a0079948_21373880.jpg


いなりずしといえば、羽海野チカさんのマンガ「3月のライオン」の中に出てくる
卵そぼろとかレンコンの入ったおいなりさんっていうのがおいしそうで(そういえば
夫実家のいなりずしはレンコン入りだった)今度やってみたいな、と思いました。

羽海野さんのマンガは「ハチクロ」の終わり方があんまりにも自分としては
ええ?って感じで、そのショックで読まないでおいたのですが、先日、ついに
「3月のライオン」に手を出してすっかり食べ物描写と小ネタだらけのあの世界に
再び嵌ってます。可愛い3姉妹のけなげぶりもいいのですが、やさぐれている
主役の義姉・香子に妙に惹かれます。
[PR]
by tohko_h | 2010-04-29 21:37 | favorites

4月ドラマ雑感など。

春のドラマがはじまってぼちぼち1か月・・・・・・

私の視聴習慣
☆火曜日☆
上戸彩ちゃんのヒロインヒロインした感じが好きなので、彼女のドラマは
多少つまんなくても見ちゃうんだけど、「絶対零度」(海外ドラマ好きの
人に聞いた話だと、そっくりなドラマが米国にあるとか)は1話で脱落。
なんか、演出がかったるいのと、上戸さん以外のキャストに魅力が
感じられず…(自分は普段は、役者の宮迫割と好きなのに)。
「チーム・バチスタ2」も、1を見てないのでなんとなく見ないまま。
田辺誠一の「三代目明智小五郎」も見てないなあ。
そして、実はすごくハマってる金麦夫人こと檀れい主演の
「八日目の蝉」。角田光代の原作を超えたドラマだと思う。
不倫相手の娘をさらって逃げる女なんてとんでもないヒロインなんだけど
美しい自然描写などとあいまって、つい惹かれてしまう。

☆水曜日☆
「臨場」は相変わらず見てますが…ちょっと内野さん芝居濃すぎませんか?
と時々疲れることも。でも好きだけど(笑)。裏のTBSのイ・ビョンホンの
ドラマは見てません。更に22時からの、ネットなどで見たところ一番
評判が高い「Mother」…こちらは虐待された少女を実親から救いだして
小学校の臨時教師(松雪さん)がさらって逃げる話なのですが・・・
こちらのほうが「虐待から救う」という良い話なんだけど、なぜか
自分の琴線には「八日目~」のほうがグッとくる感じです。単なる子役の
お芝居の好みかもしれないけど。しかしこのドラマの山本耕司は
フィギュアスケートのプルシェンコに似てる。

☆木曜日☆
3本見てるので一番忙しいかも。黒木瞳の没落奥さんが意外とハマってる
「同窓会」(高橋克典がこういう普通にイケメンって役も久々だし)も面白いし
悪い意味で北川ドラマらしい「素直になれなくて」もつい毎回欠かせない感じに
なっちゃってるし、加藤ローサの「プロゴルファー花」はバカバカしくて
「あと1日、金曜日も乗り切れるかしら」というくらい木曜日の夜にぴったり。

☆金曜日☆
視聴率も評判もいいんだけど、沢村エロ男爵様のドラマは録画してまだ
見てません。連休中に一気に見る予定! あとあじ悪い系の話もある
らしいので、「相棒」っぽい展開を期待。エンケンも見ないとだし(笑)。
夫が仲りいざちゃんが好きなのでなんとなく「ヤンキーくんとメガネちゃん」も
見てしまいそうだけど、こっちは、昔の月曜ドラマランド的アイドルドラマのノリで
ちょっと見てて恥ずかしい(笑)。

☆土曜日☆
やっぱり脱落しちゃった「怪物くん」と、新体操男子に興味があるけどキャストに
興味がわかない「タンブリング」…というわけで、あんまりドラマを見ない夜に
なりつつあります。というか、録画しまくったあるドラマを土曜日に見るのが
習慣になっちゃって・・・

☆日曜日☆
期待しすぎだったのか、原作好きすぎるせいかいまいちノレない「新参者」。
キャストもイヤな人あんまりいないのに。BGM(NOT主題歌)が大げさで、
下町のそよ風みたいな原作の雰囲気の軽やかさが損なわれてる気がするのが
一番自分としては裏切られた感が強い。

というわけで、一番ハマってるのは実は「八日目の蝉」だったりする私(笑)。
最近、金麦のCMすら笑顔で見てしまってることも。
ついでに、次は金麦カットにしようとか檀れいの画像あさってしまうことも(笑)!

いえ「蝉」は、二番目です。

一番ハマってるのは、安達祐実主演の昼ドラ「娼婦と淑女」。
毒殺された子爵令嬢になりかわり、家督争いに巻き込まれる
顔はうりふたつの貧乏娘を熱演する祐実ちゃんは、北島マヤ(に
してはルックスがよすぎるが)みたい・・・
「あたい」「ばばあ」「抱け」などなど、PTAの人たちが叱りそうな
蓮っ葉な言葉づかいを自由自在にモノにして、貧乏娘の意外な純情、
なんかも漂わせ…乞食スタイルから、お嬢様らしい和服やドレス、
そしてなぜかメイド服まで着こなす祐実ちゃん見てるだけで楽しい。
ファンじゃないのに…そして、ココリコ遠藤そっくりに太ってしまった
鳥羽潤君のへたれヒーロー(守るよ、といいつついつも祐実ちゃんに
守られてばかり)っぷりとか、ライバルの女の「きー」みたいな表情とか、
大映ドラマ好きだった昭和生まれにはたまらないジェットコースタードラマ
です。毎日新事実だの出生の秘密だのが発覚する展開っぷり。
土曜日に、1週間分(月~金曜日の5話×30分)を一気に見るのが
モテさんと私の最大の喜びです・・・

というわけで、昼ドラときどき金麦、イライラしながらツイッター(上野さんは
のだめとルカ以降何かいい演技できるんだろうか。来年の大河は無謀かも)ドラマ、
という感じでしょうか。

ちなみに5月から始まる木村さんのドラマですが・・・
そのドラマのシナリオを書かれてる女性脚本家のエッセイを某ファッション雑誌で
読んだのですが
「かつてSMAPのコンサートで木村さんを見た私の友人は、その目力にやられて
メロメロになって帰ってきて「キムタクは、コンサート会場の女を全員自分の目で
殺してやるってつもりでステージに立ってるに違いない」と言っていた。なので
その目力を信じて、今回のドラマで私は、たとえば優しいまなざしの福山さんだと
似合わないような強いセリフを書いた」とのこと。

その強いセリフっていうのが
「お前が欲しい」らしいですよ・・・
それは、強いセリフ、なの? 古いセリフの間違いじゃないの?と不安を
募らせつつも(笑)、初回は見ちゃうんだろうな~。CMのキャラクターの立ち位置みると
中国の女優さんが一番メインヒロインっぽく見えるのはどうなのよ、と思うんだけど。
[PR]
by tohko_h | 2010-04-28 14:57 | watching

a0079948_1346365.jpg
「和菓子のアン」 坂木司
デパ地下…それは、食のワンダーランド。
お総菜にお弁当にパンにおにぎりに、
そしてお菓子各種…元気がいい時に
歩けばワクワクするし、体調悪い時だと
あの活気に負けそうになる、そんな場所。
高校を卒業してなんとなくデパ地下の
和菓子屋さんで働き始めた18歳の杏子の
社会人デビューな日々と、和菓子を求めて
やってくるお客さんの秘密をめぐる、
キュートでさわやかな青春ミステリー。


実は、ちょっと時間をつぶさなくてはいけなくなって、おいしそうなカバーと
「デパートものならつまらなくは無いだろう」的にテキトーに選んだ1冊
だったのですが、これが、読み始めたらノンストップの面白さ。
ぽっちゃりしたほほや二の腕を気にする健康体型のヒロインが、
和菓子の専門用語を覚え、持前の度胸で接客をしていく姿に
素直に「若いっていいなあ」と思います。
ほんとはコンプレックスも繊細さも賢さも持ち合わせたすごく上等の
女の子なんだけど、自分では「こんな自分でもお店やお客が喜んで
くれるなら」みたいに卑屈じゃなくて本気で思って店に立ってる杏子は
きっと、和菓子以上のものをお客さんに手渡してるんだろうな~なんて
思わずお菓子のように甘ったるい感想が飛び出してしまうほど(笑)。
ふわっとしてて可愛くて食べ物屋さんにいてほしい頬の丸い女の子、
ということで、ドラマ化するなら柳原加奈子だな(笑)。

そんな彼女を育てるデキる店長さん(無駄な残りを出さずに仕入れをする
ことができるすばらしいプロフェッショナル。でも控室ではおかしな人に?)とか、
職人でもある社員のすらりとしたイケメン(でもロマンチスト)な同僚とか、
バイト仲間のギャルっぽい女子大生、そして個性豊かなお客さんたち…
善男善女が、愛らしい和菓子カウンターの向こう側とこちら側で繰り広げる
人間ドラマ。
デパートの内幕ものとして読むもよし、食いしん坊なのでお菓子の描写を
楽しみたい、でもよし、女の子のお仕事ものとして楽しむもよし、もちろん
フツーにライトミステリーとして堪能してもおなかいっぱいになることでしょう。

読む前に、お気に入りの和菓子(お団子とか大福とか素朴系推奨)と
お茶を用意して、どうぞ。

定価1890円(税込)→実感価格1980円(105%)
※お菓子代別。
[PR]
by tohko_h | 2010-04-28 13:48 | reading

某所で「カバーイラスト描かない」宣言をした漫画家がいるようですが
私の担当している作家さんは、素敵な絵を仕上げるべくずっとずっと
頑張って下さっています。ありがたいことです。その絵を待っていて
限られた予算の中で、最高のデザインをするべく努力をしてくれる
デザイナーさんもいます。

個人的に「出版社」を仮想敵にして騒ぐああいうやり方は、どうかと思う。
自分の担当編集者についての不満は直に言うかその上(編集長)とかに
言って担当替えを願うか。本当に作品を描き続けたいのなら、そういう
ふつうのやり方をまずしてみればいいのに、2度も3度も大騒ぎになるのは
そういうのが好きなんだろうな~と思う。
以上、会社を離れた一個人のつぶやき。
[PR]
by tohko_h | 2010-04-27 18:32 | working

私の弱点。

いつも愛読しているブログのこの記事(リンク)読んで
思い出しました、幼き日の私の弱点。

それは、エスカレーター全般。

全般というか。

その1)
エレベーターと呼び分けられるようになるまでだいぶかかった。
たぶん小学校出るくらいまであやふやだった・・・かもしれない(笑)。
そのころから、友達と駅ビルなどに買い物に行くようになり、
エスカレーターを上り下りすることが増えてからかな。
あ、違う。
札幌で暮らすようになって(10歳のとき)、地下鉄駅が最寄り駅に
なったので、エスカレーターにそこで慣れたんだ(よかった・・・)。
ちなみに札幌では、今はどうか知らないけど、当時(25年以上前)から
人がいないときは止まっていて、誰かが近づくと動き出すタイプの
エコなエスカレーターが地下鉄各駅で採用されていました。
それで私は心の中で「私が乗ってから動いてくれればいいのに・・・」と
ちょっと残念に思ってたものです。


その2)
リンクした漫画同様、下りエスカレーターへの最初の1歩、誰かに
手をつないでもらったりしないと怖かった。小学校出るくらいまで
オドオド手すりベルトつかまないと降りられなかった暗い記憶が(笑)。
そんな私が今は、デパートの上のほうのフロア(物産展とかやってるところ)から
ガンガン両手に荷物を持ってすたすたとエスカレーターを下りたり、
地下鉄に毎日乗ったりしてるのは、自分的にはすごい進化(笑)。

でも、今も時々、年に1回くらい「エレベーター」と「エスカレーター」を言い間違え
そうになるリスキーな瞬間があります。
と、記事を書いている間も「こっちでいいんだよね」と実はいちいち確かめるように
注意深く(普段の書きっぱなしの私とは違う!)書いてました、実は(笑)。
[PR]
by tohko_h | 2010-04-27 16:03 | drops of my days

下品な口癖。

友達や知人の彼氏や夫の話を聞くとき、
いきなり学歴とかルックス(かっこいいの?とか背はどんくらい?とか)とか
勤務先とか聞く人って下品でヤダなーと思ってたんだけど、私も人のこと
いえないことに気付きました。

大抵(とくにアルコールが入ってる時は)…

「それで、彼はメガネかけてる人?」

と聞いてるらしい。先日会社の飲み会で気づきました。

学歴や勤務先のブランドにこだわる人がいて、
ルックスにこだわる人がいる中で。
もちろん性格の優しさ、話の面白さあたりに重きを
置く人もいるわけで(このへんが普通なんじゃ)。
メガネに執着し続けるというのは、いかがなものか(笑)。


もちろん逆に、ご主人どんな人?と聞かれたときも

「メガネかけててー」と、たぶん相手が聞いても1円のトクにもならない
情報から開示するワタクシ。

人間を見るときにメガネの優先順位がどれだけ高いんだ(笑)。
[PR]
by tohko_h | 2010-04-27 15:33 | drops of my days

私と夫は、同じ仕事をしてるんですが、彼の方がキャリアが上だし
抱えてる仕事の重さ、大きさ、動くお金のケタ数、どれをとっても私より
全然上をいっている。

よくいえば、めっちゃ頼りになる先輩が家にいる状態、ともいえるけど。

逆にいえば、私があたふたしてる程度の仕事は、彼にとっては「フツウ」、
てなわけで、「つらいー」と愚痴ってると「それくらいの仕事でそんな
愚痴言われたら俺はどうするよ」とか、落ち込んでるときに言われると
本気で凹む返しが返ってくるわけで。

でもね。
ここ数か月、中間管理職的な仕事をこなすようになり、自分より仕事の
習熟度が高くない人に仕事を教えてて「こんな大変なことするんですか?」
「これってすごくめんどくさいですね」的に言われると「これくらいのこと
さっさと黙ってやれるだろうに」と内心イライラしてることが結構あって。

イライラすると同時に、あ、彼もこんな気持ちだったんだ、と思った。
自分が100の仕事をしてる時に、40とか60の仕事をしている人間が
「こんなの無理」「かったるい」って言ってたら、首のひとつもしめたく
なるというもの(笑)。

というわけで、自分がステップアップしてはじめて、モテさんが私の
仕事の愚痴を嫌がってた理由がわかった。自分が高校の宿題で
うんうんいってるときに「九九覚えるのってなんでこんなに難しいの?
私にできるとは思えないんだけど」って隣でぐちぐち言われたら
そりゃむかつくよねーごめん!みたいな。

いや、ほんとに心優しい人は「自分の通ってきた道でこの人も
苦しんでるんだな・・・」とあたたかい言葉のひとつもうまくかけられるの
かもしれないけど、彼も私もそういうタイプじゃないのがわかりました(笑)。
それわかったら、彼にそういう方向性の思いやりやいたわりを強要したい
気持ちがつきものが落ちたようにとれた感じ。

というわけで、同業夫妻11年目の春、ちょっと、夫婦としても編集者としても
壁を(私なりに)越えた気がします。
[PR]
by tohko_h | 2010-04-26 21:26 | working

a0079948_160086.jpg
「おぅねぇすてぃ」宇江佐真理
明治5年、日本は文明開化の時を迎えていた。
英語の通訳を志す千吉は、幼馴染の勝気な
お順にひそかに想いを寄せていた。
しかし、彼が函館の昆布商社で働いている間に
彼女は、アメリカ人の妻となっていた。だけど、
彼女が嫁いだのも、母親を支えて生きていく
ための手段であり…心の中にはやはり、
千吉が住んでいたのだった。思い合う二人は
気持ちを確かめ合い、いっしょになることが
できるのか…という明治の青春ラブストーリー。


めったに読まない時代小説を読んでみました(除・浅田次郎と
「澪つくし」シリーズ)。
平易な文章で、まっすぐな男女が恋愛や生きていくことに
手抜きをせずに若く突き進んでいくすがすがしい小説、です。
が、主役のふたりに魅力が…足りない。というか、脇キャラのほうが
魅力的なんです。
タイトルの「おぅねぇすてぃ」という言葉を千吉に習う遊女の千鶴や
千吉の友達のお殿様(ご維新で苦労してるけど)に、独学で通訳に
なった元船乗りの男など。彼らが出てきてメインキャラの千吉や
お順とからむシーンは楽しいし生き生きしてるんだけど、肝心の
ふたりの恋愛パートが物足りない感じ。もっと群像劇っぽくしちゃっても
よかったのかも。

定価540円→実感価格350円(65%)
[PR]
by tohko_h | 2010-04-25 16:08 | reading

「東京島」桐野夏生

a0079948_3531466.jpg
「東京島」 桐野夏生
うわーいやな本読んじゃった!というのが
たいていの桐野夏生作品読んだ直後の
感想である。で、落ち着いてくると、ああ、
でも人間ってこういう卑しさあるよね、とか
この程度のずうずうしさは自分でも同じ
立場なら発揮しちゃうかも、と、まったく
感情移入せずに読み終えておきながら
だんだん、身近な世界のお話だった
ように思えてくるのが不思議な感覚。
その奇妙な読後感を好んでるわけじゃ
ないのだけど、何かを確かめるように
つい読んでしまうのです、桐野作品。


今年の夏に映画になるということで、文庫化が比較的早かった
(ハードカバー発売は2008年)と思われます。

さて、お話の舞台は「ひしゃげた腎臓みたいなかたち」の島。
隆と清子、という40代の夫婦が嵐で遭難、無人島でふたりで
心細く暮らしています。そこにやってきた20人以上の若い男たち。
彼らも又別の船で遭難して、島に流れ着いたのでした。
こうして、無人島だった島に「東京島」と名前をつけて、男たちと
清子の暮らしは始まるわけです。
いわゆる「男の中に女がひとり」=紅一点状態、ということに。
全ての男たちの関心と欲望を向けられる存在になったことを
自覚した清子の厚かましさ、サバイバル観に「何この女」と思いつつ
「やるなあ」と思ったりも時々してしまう感じで読み進めました。
(期待してたという意味ではなく(笑))もっとエロティックな方面で
話がどろどろするのかな、と思いましたが、無人島であれもこれも
不足している中でも、複数人がいれば「社会」らしきものが構築され
人々は上下関係を作り、自分が生きる道を他者との関係を計算しつつ
模索していくものなんだな、という、当たり前のようでいて凄い過程が
興味深かったです、読んでる間ずっと。

しかし、読み終えると、こうして温かい布団の中でパソコンいじってる
自分がすごく贅沢なことをしてる気になってきます・・・

実はこの小説、実際に太平洋戦争終戦前後にあったアナタハン事件
ネタ元だそうです。
こちらでただひとりの女性となった人は、20代の若さだったようですが、
桐野さんはヒロインを40代にしてるところにも注目、です。

定価580円(税込)→実感価格420円(72%)
読み返すことは、なさそうだし…(ヘビを捕まえて食べるとか、結構えぐい生活の
描写が多いので、ニガテな人は生理的レベルでつらいかも。排泄とか体毛とか
普通小説や漫画が避けて通るというか無視してる部分も描いてるところは
凄みありすぎだし)。
[PR]
by tohko_h | 2010-04-24 23:47 | reading