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「天国旅行」 三浦しをん

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「天国旅行」三浦しをん
三浦しをん様の新刊キター!
装丁もギザかわゆす☆
と、2行だけ中川翔子風に書いてみました(意味なし)。
三浦さんの新しい短編集は、「心中」が共通テーマの
作品を7本集めた1冊になっています。
1話目最初のシーンがいきなり自殺希望の男@樹海。
しかし死にぞこない、サバイバルゲームしてる風の
若い男と知り合います…


すみません、しをんさん! 私、そこから一瞬、若い男×自殺男、の
むにゃむにゃ…なストーリー展開を予測しちゃいました(笑)。
だってテーマ心中らしいし!
しかし物語はそんな風にはもちろんならず、暗くてじめじめしてるで
あろう樹海の中で、意外な、でも通して読むと「なるほどこうか」と
納得行く展開になっていきます。

心中といってもいわゆる「男女がお互いの体をロープでつないで
崖からダイブ」的な、いわゆる愛し合う者が同時に死のう、的な
フツーの心中話はありません。亡くなった人と、こちらの世界に
残ってる人の交流を描いた話とか、ファンタジックな展開になって
いたものもあって、不思議な読後感の1冊でした。

短編になるとますます「ほんとうまいなあ」と文章の的確さ美しさに
酔いしれることができるのはさすがの三浦しをんです。

ただ、最近出した長編で一番重かった「光」なんかもそうなんだけど、
そのー・・・うますぎる感が、ちょっと、なんていうか難しいけど、
物足りないというか、普通の「若いのにすごく書ける作家」に収まって
しまいそうで、ちょっと古くからのファンとしては複雑でもあります。
これが、三浦さんがまだ無冠の作家だったのならば「賞狙いスイッチを
編集が入れたのかな?」と思うほど、うまさを全部あますところなく
出しきってる完成度なんですよねー。でも彼女はすでに直木賞作家。
単に作風が変化してる時期なのか。

というわけで、しをんさんの才能全開の1冊。
by tohko_h | 2010-03-31 14:09 | reading