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「盆栽マイフェアレディ」 山崎マキコ

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「盆栽マイフェアレディ」 山崎マキコ
今はどうだか知らないけど、私が学生で
就職試験を受けていた頃は、某有名&
大手出版社で「三題話」という作文の
テストがあった。関係なさそうな3つの単語を
提示され、それを全部入れて400文字とかの
まとまった文章に仕上げるという、笑点的な
試験で…私も実は受けたんだけど、
3つのうちひとつ見たことも聞いたこともない単語があったので
「~(その知らない単語)」を辞書で引く人の話、とかにして
逃げました(笑)。※一応なんとかなったけど(笑)。

「盆栽」
「恋愛」
「お金」

こんな三題話に答えたかのような、一見バラバラなネタを組み合わせて
とても素直な小説に仕上げてある奇跡の1冊…が、この山崎マキコの
小説「盆栽マイフェアレディ」です。

大学卒業後、盆栽師見習いになった繭子が、兄弟子の松本と
300円の弁当を食べながら、盆栽や自然の美にいやいやながらも
魅せられていく日々を送っているところからお話は始まります。
しかし、ある日、高い盆栽を買いにきたケタ違いの
お金持ちの男性に見初められ、
お台場のマンションや横浜のレストランに連れて行かれ、愛らしい
ドレスや靴をプレゼントされるシンデレラ状態に。

松本とともに盆栽の道を歩むか…
お金持ちの彼の世界に飛び込むか…

繭子は悩みます。
その悩み方が、奇麗事じゃなくて、リアルなところがとても良い。
高級品やリッチな世界にはやっぱりうっとりしちゃうし、だけど
貧しい中にも真摯にやりたいことを見つけてく松本を見ると焦る。

ふつうのラブストーリーとして読んでも、女子の生き方見つけ系として
読んでも、盆栽の世界の入門書として(盆栽の見方とか手入れの
大変さなども描写されており、とても楽しかった)も、よくできているのです。

私は最初のほうは、はっきり明確に「毎日買い物ができてゴールドカード
くれて、自転車の代わりにベンツ買ってくれるみたいな彼氏の方がいい」
と思っていたのですが、最後まで読むと…分からなくなりました(笑)。
小説の結末自体はスッキリきっぱりですが、余韻は意外と長く尾を引く感じ。

やはり贅沢するシーンは読んでて興奮するんだけど、盆栽をいじる
シーンもだんだん「ちょっとさわってみたいかも・・・」と思えてくる、
不思議な読み心地も魅力的。
by tohko_h | 2010-03-31 15:52 | reading