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「ひそやかな花園」角田光代

「ひそやかな花園」角田光代_a0079948_0454058.jpg「ひそやかな花園」
 角田光代
きらめくような夏のキャンプの記憶を
少しずつ振り返る7人の男女。それぞれ
親に連れられ、はしゃいだ特別な時間。
しかし、ある夏を最後に、キャンプは
2度と行われることはなくなり、皆は
会うことなく、別々の場所で、それぞれ
異なるタイプの大人になっていた。しかし
時々あのキャンプを思い出すと同時に
親戚でもなく、親同士が友達という感じ
でもなかったあのキャンプは、どんな
縁で集まった人間たちによるものだったのか気になり始めていた。

という、前半の、気持ち悪くてミステリアスな雰囲気の展開はドキドキして
読み進められたのですが、割と早い段階で、キャンプに集まっていた家族の
共通点が何だったから明かされ、その秘密にそれぞれの「子どもたち」が
順応していけるか、みたいな話になっていってからは読むペースが落ちて
しまい、最後は「あー終わった」という感じ。

「八日目の蝉」とは別の角度で親子の問題に真正面から取り組んで
真摯に描かれた物語だとは思うんだけど、最後までピリッとしないままで
終わっちゃった印象。それが作者の意図するところだったような気もするけれど。
確かに、何が正解かっていう問題でもないしなー。と、ねたばれを避けて
書くとなんだか私の紹介文もピリッとしない・・・(汗)。

定価1575円→実感価格750円(≒48%)
面白い小説ではありましたが、個人的には文庫待ちでもよかったかも、と
少し思いましたです。
by tohko_h | 2010-07-24 23:58 | reading