「蜜姫村」 乾ルカ

a0079948_0152463.jpg「蜜姫村」 乾ルカ
昆虫研究家の夫について、瀧埜上村の
仮巣地区という村落で1年暮らすことに
なった女医の和子。そこが無医村と知り
自分も皆の役に立ちたいと願う。
しかし、老人も畑を耕し、寝たきりの
ものはいない。医者のいない村でなぜ
長生きができるのか…何か秘密が
あるのではないか。そんなある夜
夫が、禁足地といわれている方角へ
幻のアリを探しに出かけてしまい…


会社の人に貸していただいて一気読み。ミステリー小説好きな方なので
いつも新刊を貸していただいてホクホク、してるのですが、これ…
ホラーですよう(涙目)。
でもね、意外と、面白かったんです。禁足地には蜜姫と呼ばれる守り神と
彼女をもりたてる数人の人たちがいて、村人たちに奉られているんだけど、
この姫がちょっと、おどろおどろしいパワーの持ち主だったりして。
狭い村落の言い伝えとか原始的な信仰が脈々と続いている…そんな枠の中に
閉じ込められた普通の人、という設定も王道ですよね。
よい意味で漫画チックでよくできたプロットなので安心して読めます。
漫画…そうね、美内すずえ先生の昔のホラー漫画なんか好きな人にはぴったりかと
思います。紅天女ホラー版、みたいな感じで(笑)。そこにラブストーリーだの
サスペンスだのサービスたっぷり詰め込んだ、ホラー嫌いでも夢中で読める
素敵ホラーミステリーでした。ちなみにこの著者の作品は初めて読んだのですが、
先日、おしくも賞は逃しましたが直木賞にノミネートされた今乗ってる作家の
ひとりなのは間違いなさそうです。乾といえば、ミステリー作家で…というと
今、同じ苗字の乾くるみさんが「イニシエーションラブ」以来飛ばしてますが、
こちらの乾さんも注目しておいたほうがよさそうです!
私も別作品ちょっとあさってみようかなぁ。

ホラーとかファンタジーってニガテなのにな~なんかやめられないなぁ。
と、ドキドキして読んでいるこの感覚、若かりし日に、酒見健一の
「後宮小説」を読んだときとおんなじ感じでした。現実感の無い世界の話なのに
シーンやキャラクターの表情が読んでて「あ、見えた」って瞬間がところどころ
あって、そのたびにひきこまれて「あー、もうこれ最後まで読まないと気がすまない」
って思わされる力強さ。

定価1575円→実感価格1575円(100%)
自分で選んで買うタイプの小説ではないので、こういうきっかけで読めて
ラッキーでした! ちょっとロマンティックな展開もあったりして…ああ
どこかの会社が漫画にしないかな。
[PR]
by tohko_h | 2010-11-01 23:07 | reading