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「造花の蜜」連城三紀彦

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「造花の蜜」(上)(下)連城三紀彦
夫と離婚し、息子とともに実家に戻った
香奈子。しかしある日、息子がスーパーで
連れ去られかける事件が起きる。無事に
戻ってきた息子は、自分を車に乗せて
行こうとしたのは「お父さん」だと言う。
別れた夫の写真すら見せたことが無いはず
なのに、なぜ。そして、この誘拐未遂は
ほんのプロローグに過ぎなかった。心を
揺さぶられっぱなしになるあの事件が
母子の前にせまってきていた…
2転3転する謎、ゲームのように入り組んだ構成、
趣深い文章。じっくり読める贅沢ミステリー!


という感じの、ベテラン作家らしい読み応えのある高密度な小説でした。
でも、語り手がところどころウソをついていて、あとから「実は…」
みたいな構成は好みが別れる気がします。読者の前にも全ての情報は
少しずつ小出しにされたりずれて伝わるように書かれたり…作者が読者を
欺くのはミステリーとして当然ですが、中の犯人じゃないキャラにまで
だまされるというのは、ちょっとしっくりこないというか。
となると、情感たっぷりの文章も、なんか、目くらましのため?とすら
思えてきて、だんだん後半はちょっとイライラしてきたりも、しました(苦笑)。
というわけで、素直に「だまされた!びっくりした!」と感動する人と
「うーん、ズルいなあ」という人と、評価、かなり割れるんじゃないでしょうか。
私は、ちょっとあと味の悪いだまされた感のほうが強く残りました。

合計1360円→実感価格1000円くらい??
前半の疾走感と緊張感が後半すっかり凪いだところで、テンションが落ちました。
そこから先が好きって人もたくさんいそうなので、私の好みで。
by tohko_h | 2010-12-07 03:40 | reading