映画「洋菓子店コアンドル」~試される蒼井優への萌え

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熊本から恋人を連れ戻しにやってきたケーキ屋の娘・なつめ(蒼井優)は、
中目黒にある恋人の修行先の店、洋菓子店コアンドルに向かった。しかし
彼はとうにやめており、オーナーパティシエール(戸田恵子)と彼女の
フランス人の夫、そして勝気な女パティシエだけが居る状態。
「ここで働きながら彼を待ちます! あたし、ケーキ屋の娘ですから」と
ちゃっかり居座ることにしたなつめだが、コアンドルの洗練されたケーキは
実家で出していた素人っぽいケーキとはレベルが違う。ここの厨房でやって
いくのは大変そうだ。オーナー夫妻は何かと気にかけてくれるようだが、
先輩はとても意地悪でぶっきらぼうな怖い人だし…常連客(加賀まりこ)や
伝説のパティシエだったが今は評論家や講師しかやらない十村(江口洋介)
などが出入りするこのお店に、東京に、なつめの居場所はあるのか。
そして、十村はなぜケーキを作らなくなったのか。居場所を探す女の子と
天職を諦めて(ある理由から)しまっている男の、ケーキのように甘くは
いかない人生の物語。

オープニングはケーキを作る厨房の風景から始まる。スポンジを切り分ける。
クリームを混ぜる。繊細なデコレーション…美しい果物のいろ。もう、
これだけでおなかがすいてくる。いいぞいいぞ。旅行かばんを抱えて
熊本弁で物怖じしないでガンガン都心を歩く蒼井優のショット。だぼっと
したコートにばさばさの髪にトランク。ブサかわいい服を着たら日本一だ。
これは名画の予感!
しかし予感はあっさり裏切られる。このヒロインの性格が、酷い。
まともなケーキが作れないのに自信たっぷりで、恋人との関係についても
勘違い女で、かわいくない、のである。かわいげがないけど憎めないキャラ、
とかになっていない。普通に憎める(笑)。そんな彼女を見守る周囲の人たちも
彼女の自分勝手ぶりにぶちきれる先輩も、みんな背景にしか見えない。
蒼井優主演のアイドル映画だと思って観ろってことなのかな?とか思いつつ、
観る。ケーキ作りの実力も人としての可愛げや誠実さも見えないヒロインが、
店の人たちを元気付けたりお客に好かれたり、という展開に、ちょっと
胸焼けがしてきました。ポスターのコピーには、「甘くない人生に、時々
スイーツ」とか書いてあるけど、この展開は甘いだろう。

彼氏ともめて酔っ払うところ、煮え切らない江口に熊本弁でまくし立てるところ
など、ところどころ「蒼井優、いいなー」と思うのですが、なつめというヒロインの
キャラクターが、自分の友達でも姉妹でも後輩でも先輩でもイヤだろうなー
という自分勝手でいいとこなしなので、シーンがちょっと光ってても、映画の
印象としては、げんなり、でした。

蒼井優とケーキの可愛さを観に行ッたつもりでしょ、これでいいのよ。と自分に
言い聞かせてみましたが…あまりにもヘンなストーリー(ベタな展開なんだけど
とにかく進み方が荒々しすぎるし、何かはしょられてる感じ)に感じたので
原作本まで読んでみたけど、やっぱりヒロインは可愛くなくて、展開はご都合主義。
画面の雰囲気はかわいく演出されてるガールズムービーだとは思うんだけど、
観終わった私は「なんじゃこりゃー!」状態でした。
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映画「南極料理人」を見終えた後はラーメンが食べたくて仕方なくなったけど
この映画を見た後、ケーキを食べたくはならなかったなーそういえば。

とか思いながらパンフレット(表紙が可愛くて買った)を読んでみて初めて
映画「白夜行」の監督だったと知る。どちらの作品も、キャラを消化しきれて
いないまま(観客をある程度キャラ力で魅了したりとか…)、エピソードだけを
積んでいくから観客の心がついていくのが大変な作品だった、という印象は
確かに一緒だ…この監督と私の相性がイマイチなのかなー。うーん。
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by tohko_h | 2011-02-18 07:35 | watching