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闘う編集者の本2冊

編集者が書いた本って、自分の仕事自慢?と思うのが時々あるので
普段はあまり読まないようにしてるんだけど(ふがいない自分を思って
凹むしね!)、ふと続けて読んでみたら面白かったし、自分の仕事との
距離とか向き合い方を客観視して「闘うというよりは遊ぶ、というこの
ユルさを大事にしつつ、いざという時は丸腰じゃないように知識と経験は
ちゃんと年相応に積まねば」と思えた。

時々、知人などに「知り合いが編集希望なんだけど」とか、アドバイスとか
就職活動の相談らしきことを求められるんだけど…「本作る編集って
ステキかも」とかつての私みたいに甘い妄想気味に思っている志望者が
読むのも刺激的でいいかも。それで「私には向いてない世界かも」と
進路変更してもいいし、「うわ、面白そう。絶対、本作る人になる!」と
興奮したとしたら、その人は、少なくとも私よりは、向いてる(笑)。

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「噂の女」神林広恵
「噂の真相」の編集者だった著者の、取材や裁判
などのもろもろを描いた記録。短大を卒業後、
ふつうの会社でお勤めしていたのに物足りなく
なり、22歳で転職した若い女性が、クセのある
上司や同僚にもまれ、取材相手と闘い、そして
たくましくなっていく…と書くと暑苦しい熱血成長
物語風ですが、本人いたってクールなのがいい!

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「薔薇族編集長」伊藤文学
ゲイのための情報誌「薔薇族」編集長の、創刊
から読者との対話などをすべて綴った自伝的
ノンフィクション。自身は同性愛者ではない彼が
偏見などに苦しむゲイ読者と向き合い、話を
とことん聞く姿勢にうたれた。好きなジャンルや
得意分野じゃない仕事にぶつかって悩んだときは
「ゲイじゃない人が薔薇族を作ったんだ!」と
思い出して心の支えにさせてもらおうと思う、マジで。
by tohko_h | 2011-03-28 23:46 | reading