「白椿はなぜ散った」岸田るり子

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「白椿はなぜ散った」 岸田るり子
幼馴染の万里枝(日仏ハーフ)に幼稚園のころから
恋をしていた望川貴。小中高、そして大学では
サークルまで一緒のところを選び、ずっとそばに
いた。華やかで明るい性格の万里枝だが、
地味な望川には幼馴染として何でも話していたし、
信頼関係がそこにはあった。しかしサークルの同期で、


日本有数の企業グループの御曹司が万里枝に接近し、望川は嫉妬を覚える。
ほかの人に恋をする彼女を見たくない。
そこで彼が考えたのは、もっといい男を万里枝に近づけて気持ちをそちらに
そらすことだった。
しかし、望川の、人の心を操るような作戦が、たくさんの人たちの運命を変えてゆき、
のちには、人の死や殺人事件にまでつながっていってしまう・・・

物語の序盤は、望川の万里枝への熱い思いが語られます。もうそれが息苦しいほど。
また、彼女が髪をとかしたあとのブラシから髪を集めて貯めて喜ぶとか、ちょっと
変態な感じがするので、ちょっぴり「気持ち悪い…」と思ったのも事実です。

また、大学の文芸サークルに入った同期との日常も結構ゆったりとしたペースで
描かれていきます。京都の大学なので、みなでお寺を見に行ったり、日本酒の
蔵元のイベント(参加費をはらうと10店くらいのお店で試飲ができるとか…実際に
あるならこれは行ってみたい…)でお酒を飲んだり、青春ものっぽいムードです。

それが一転、望川の「いい男を万里枝に提供して様子を見る作戦」から物語は
不穏な方向に走り出し、あとは、殺人事件や人の心の謎など、ミステリーてんこもり、
一気読みって感じです。ラスト10Pくらいで、意外な真実とある人物の本音が
あきらかになり、結構びっくりします。
舞台が京都だし(笑)、2時間ドラマのちょっと豪華なキャスティングで撮影される
スペシャルなんかにも向いていそうなお話だなって思いました。
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by tohko_h | 2011-09-06 09:26 | reading