「マスカレード・ホテル」東野圭吾

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「マスカレード・ホテル」 東野圭吾
今年の東野圭吾にハズレなし。
3月発売の「麒麟の翼」も、
6月発売の「真夏の方程式」も、
そしてこの「マスカレード・ホテル」も!
東野さんの本って、こっちが図々しく
「さあ楽しませてもらいましょうか!」
と受け身100%で読み始めても、
きっちりのめりこませてくれるのが嬉しい。


自分が疲れていようと苛立っていようと、とてもじゃないけど本を楽しめない
くらいイマイチなときでも、読み始めると「で、この先はどうなるの?」って
ことだけが気になってページをめくるスピードが上がっていく。
じっくりするめみたいにかみしめたい本もあるけれど、たきたてのご飯の
ように、できたてのところをがばっとおいしくいただける東野作品に感謝。

今回の舞台はホテル。
ある連続殺人事件の法則性から「次はこのホテルで殺人が!未然に防いで
犯人捕まえないと!」と、警察はある大胆な捜査を行うことに。それは
刑事たちをホテルマンに変装させて従業員として見張りを行う、ということ。
接客業についてはズブの素人の刑事が、優秀なホテルウーマン(今回の
ヒロイン)に講習を受けて「やってらんねーよ」とふてくされてる前半部。
それがだんだん、警察官とホテルマン、それぞれの職業のすぐれたところを
認め合い、息が合ってくる中盤。さあ、真犯人かかってこい!みたいな
テンポのよい展開。舞台のほとんどがホテルって時点で、低予算で
どこかのホテルとタイアップうまくできればロケもほとんどなくドラマが作れそう、
などという、映像化への布石もばっちりって感じ。
構成としては、メインの殺人事件の捜査がじわじわと進んでいくのと並行して
小さな事件が章ごとに解決していく、「新参者」(人形町の色々な事件を
調べるうちに最初の殺人事件の謎にたどり着くという構成がよかったね)とも
通じる、メインディッシュ的事件と、おかずやワイン的な脇の事件がうまいぐあいに
マリアージュ。

天才科学者の湯川さん(ガリレオ)や、地道な捜査から真実にかならずたどりつく
優秀な加賀刑事と比べ、今回のヒーローである若き刑事は短気だったり、
カンチガイもあったり、と、とても人間っぽくて親しみが持てるタイプ。思わず
お気に入りの若手俳優さんを何人か脳内で並べて「ああ、この人が映画や
ドラマでやったら楽しいだろうなー」と想像。というわけで、人間っぽさが魅力の
新キャラと、ホテルという閉ざされた空間を舞台にしたミステリーの醍醐味。
きっちり一気読みさせていただきました!
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by tohko_h | 2011-09-19 09:42 | reading