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ALWAYS  三丁目の夕日

先週の金曜日にテレビで放映された大ヒット映画・「ALWAYS  三丁目の夕日」
(リンク先音楽出ます、注意)を見た。前半は、これでもか、これでもかという
昭和っぽさに、時代をなぞっているノスタルジア映画なのねーくらいに思って
流し見していたのですが、気がつくとのめりこんで、最後の30分くらい泣いていた。
私は昭和48年生まれで、昭和30年代、というこの映画の舞台になっている時代に
ついては、肌では何も知らない。親も、戦争を知らない世代だったので(おそらく
映画の中に出てくる15歳のロクちゃんあたりがうちの親と同い年くらいになるはず)
青春の話をしてくれることはあっても、時代背景についてはテキトーだ。
しかし、この物語は、戦争を知ってる大人たちが、戦争を知らない世代の子供たちを
育てている、そんな頃の話なので、自分にとってはある意味ファンタジーみたいだったり。

ただ、私の好きなパターンなんです、この話。
血のつながりのあるリアルな家族が繰り広げる愛憎劇も物語になりますが、
私は、擬似家族の物語が大好き。赤の他人が縁あってともに暮らすようになって
ぶつかったり反発しながら、絆がいつのまにかできてて、かけがえのない存在に
なっている、みたいな話(なので、最初は「子役が邪魔」と思っていた
松たか子のドラマも、演劇ものとしての期待は裏切られたものの、だんだん
ハマってきている。「セーラー服と機関銃」の目高組なんかもそんな感じするし)。

映画の中だと、集団就職で郷里の家族を離れて、鈴木オート、という
小さな自動車会社に住み込みで働くことになったロクちゃん(掘北真希)と
工場長のお父さん(堤真一)、奥さん(薬師丸ひろ子)、息子の一平、の家族との関係。

そして、ひょんなこと(としかいいようのない、酒場で酔った勢いで)から
駄菓子屋をやりつつ純文学を目指してる茶川(吉岡秀隆)が預かった少年・淳之介の
ぎこちなくてかみ合わないながらの同居生活。

このふたつの「擬似家族」の物語が映画の軸になっているので、ぐいぐい
ひきこまれていきました。
迷子になった淳之介が帰って来たとき、心配した茶川が、ひっぱたいてから
「お前なんか赤の他人なんだからな」と抱き寄せるあたりがうまいなーと。
これが「俺の息子みたいなもんだから心配させるな」だったらガッカリです。
「赤の他人なんだからな」と言葉では線を引きつつ抱きしめてる。
ロクちゃんと鈴木家の年越しのあたりもキュンとしました。
by tohko_h | 2006-12-03 22:03 | watching