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強運の持ち主

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「強運の持ち主」
瀬尾まいこ

装丁のあまりの可愛さに衝動買いしたけど、
自分としては割と当たり!な1冊でした。
元OLのルイーズ吉田は、人生相談風味の占いをショッピングセンターでしている。1件3000円。
割のいいバイト感覚でやってるところもある。
恋人は、かつてカップルで占いに来ていた男の方。星周りなどが凄く良かったので、仕事の相性占いもそこそこに、彼をオトして付き合いだす。今はなかよく馴れ合いカップル。

役所づとめの穏やかな彼とお気楽占い娘の恋ののんびりした感じ、
占い+αで解決していく顧客の悩みなど、後味が良い連作4編。
疲れたとき、寝る前、装丁がきれいなので勇気がいるけど
お風呂でリラックスして読むのも悪くない感じです。
生意気な弟子、気の合わないアシスタントなどに苦労しつつ
彼らのいいところが見えてきて仲間になっていく、みたいな
生ぬるいといえばぬるけどそのほわっとした感じに救われるというか。
さりげなく書いてみると、職場に今、苦手な人がいない。
苦手だと思ってた人の苦手じゃないところがわかって、尊敬できる所がわかって
それが全部になった感じ。瀬尾まいこワールド的なことって、リアルでも
30歳過ぎてもたまに起こりえるから、楽しい。

恋愛の描写も、あるあるある!と、クイズ100人に聞きました状態で
読んでて声をあげて同意したくなるところがあった。
お話の途中で、おっとりした彼とのなれあいムードに彼女がうんざりしかけるんだけど、
すったもんだがあったあげく、彼女は気づくんです。
好きな人とダイエーやヨーカ堂(おしゃれなデパートじゃなくて)に夜遅くに連れ立って
買い物に行って抗菌グッズとか所帯じみた買い物をする楽しさに。
昔ヒットした竹内まりやの歌で「冷蔵庫の中で凍りかけた愛をあたためなおし
たいのに~」みたいなのがあったと思うんですが、こういう日常のなかでふと
愛情の原点に立ち返る瞬間を気持ちよく描いてあるところがかわいかった。

占いも人の気持ちも絶対じゃないからこそ、生き生きと時は流れるわけで日々は
そう悪くない感じになるんじゃん、と、根拠はないけど鬱陶しくないていどに
元気に、ポジティブになれる本です。そういう「なんとなくいいこと、そのうちあるでしょ」
みたいに思える人は、みんな「強運の持ち主」になれるかも、しれないな、程度の希望を
もらえる1冊、かも。
by tohko_h | 2006-12-19 17:29 | reading