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デトロイト・メタル・シティ

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「デトロイト・メタル・シティ」① 若杉 公徳(白泉社)

理想の自分と程遠い世界で生きる主人公の苦悩と悪あがきを描く
ミュージック青春漫画☆
・・・と、言おうと思えば言えなくもないんだけど、最強(凶?)のメタルギャグ。
とにかく、吉田戦車・うすた京介と並んで「電車で読むにはキケン」なコミック。

主人公の根岸崇一くんは、大分県出身の好青年。フレンチポップが大好きで
カヒミカリィや加藤ローサ、アメリなど可愛くてオシャレな女の子も好き。
大学時代の思い人・相川さんも清楚な感じ。大学卒業後も音楽で世に出たいと
東京で日々がんばってます・・・爽やかなミュージシャンを目指してるのに、
どうしたことか、デスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」のギターボーカル・
ヨハネ・クラウザーII世として人気急上昇中!飛ぶ鳥を撃つ…ブチ殺す勢い!
そう、爽やか系の音楽が大好きなのに、なぜかメタルバンドのスター、いや
一部のファンにとってはカリスマにさえなりつつある。
「こんなはずじゃなかったのに・・・」とぼやきつつも、メイクをして
ステージに立つと、田舎の母から米や野菜を送ってもらっているなんてこと
おくびにも出さずに「オレは地獄のテロリスト 昨日は母さん犯したぜ」と
シャウトして喝采を浴びる日々。本命の女子・相川さんもメタルは嫌いだから
絶対に自分がクラウザーさんだなんてばれたらヤバイ!

この「正体がばれたらアウト!」というシチュエーション、漫画やアニメの
王道の設定(今ぱっと思いついたのは「キャッツ☆アイ」。「コナン」は
ちょっと違うか)なんだけど、それが、メタル君ってだけでこんなに
面白おかしくなるなんて! たしかにDMC(デトロイト・メタル・シティ)の
歌詞はエグいし、楽器やステージを壊し暴れまくったり、メタルっていうか
乱暴すぎて引く直前に読んでてなるんだけど(だんだん慣れてくると
メス豚位なんてことなくなってきますが(笑))、根岸くんが本気で
その状況に悩んでて、悩めば悩むほどおもしろいし、なんか好感さえ
持ててくるのです。
「爽やかなポップスを」と、可愛いラブソングを作っても、メタルに書き換え
られてしまったり、歌詞を巡る言葉遊びも秀逸。
「朝起きたら君がいて、チーズタルト焼いてたさ
さあ出かけよう、オシャレして町にさ」(タイトル・甘い恋人)


「朝起きたら君がいて、俺の両親焼いてたさ 
さあ出かけよう、オシャレども殺りにさ」(タイトル・悪い恋人)

「オレたちゃ裸がユニフォーム」(アパッチ野球軍)にも通じる激しさがコワイ・・・(笑)。
この「変な歌詞を作って困ったミュージシャンがあれこれドタバタ」というのは
うすたさんが現在描いてる「ピューと吹くジャガー」(こちらは縦笛プレイヤーの
ジャガーさんが友達を振り回したり他のミュージシャンにおかしな影響を
与えたりするギャグ漫画。「マサルさん」といい勝負でおもしろい)にも
通じる感じだなーそういえば。さすがに「のだめっぽいYO!」とは言いませんが
(のだめやジャガーさんは変態音楽家であることを楽しんでるけど
根岸くんは「まともになりたい」一心なのである意味逆かしら)

また、無力なおとなしい青年のはずの根岸くんがクラウザーさんになって
なにげに人助けとか思いやりを見せるところもあったりして、だんだん
可愛くさえ思えてきました。ヤバイ?

額に「肉」の替わりに「死」と書いてひと暴れしてみたくなるかも(にやり)。
by tohko_h | 2007-01-15 14:08 | reading