「華麗なる一族」の華麗なるキャスティング自分的講評
2007年 01月 21日続きが気になったので、山崎豊子さんの原作本を買って一気読みしました。
お、面白すぎる・・・関西の銀行頭取・万俵大介とその家族の物語なのですが、
2時間ドラマ的な下世話さもあり、昭和の銀行や産業の事情を突っ込んで描いた
ノンフィクション?みたいな面白さもあり、上・中・下…掃除をサボって夫に
罵られつつも(苦笑)途中で読むのをやめられませんでした。
山崎豊子さんの文章は、元新聞記者でいらしたためか、どちらかというと硬め。
ただ、女性らしく、衣装や調度品などの描写が細かいので、高級婦人雑誌を
読んでるみたいな面白さもあり、でした。特に和服好きには楽しいんじゃないかしら。
着るものに限らず、登場人物のルックスも割と突っ込んで説明しています。
なので、ついつい、ドラマのキャスティングされた俳優さんと比べつつ読んでました。
というわけで、原作の描写を見ながら、このキャスティングはベスト? ミスマッチ?
それともフツーにミスキャスト?と勝手にちょっと突っ込んでみたいと思います。
レビューは書くかもしれないし書かないかも。とにかく先に突っ込み入れたくて(笑)。
万俵大介(北大路欣也)
銀髪の端整な顔だちが貴族的な冷たさと品の良さを漂わせているが、
仔細に見ると、眼鏡の下のよく光る眼と分厚な唇に脂ぎったものが感じられ、
六十歳を迎えた人とは思えない。(太字=本文より引用。以下も)
えっと、ドラマの北大路さん、普通に60歳過ぎた人に見えます。この大介という人は
仕事ができる人は女性関係も激しい、という昔のヒーロータイプで精力も強い。
脂ぎった好色感だと、津川雅彦さんなんかのほうがむしろ合うかも、と思うのですが
貴族的な冷たさ、となるとちょっと違うかな…貫禄と迫力は素敵。ぴったり度60点。
万俵鉄平(木村拓哉)
父よりも死んだ祖父に似た浅黒い精悍な顔
分厚い肩を押し出すように歩いていく姿には(中略)経営者らしい堂々とした
威風がそなわっている。
途中で、堂々としたたくましい体躯、みたいな描写が何度もありますが、実際の
木村さんはヒョロリとした平成の青年そのもの。原作だと38歳の若さで鉄鋼会社の
専務で経営にも技術面でも優れているヤリ手、という設定。木村さんはやや
若いので、34歳の設定にドラマでは変更されてます。父・大介と、
弟・銀平(あとで触れます)がスマートで端整系なのと比べて、鉄平は、鉄鋼の世界に
生きる男というのもあり、線が太そうなイメージに描かれているのですが、
実際の木村さんは、この弟役のほうが合うかも、というくらいおしゃれに見えます。
たとえ作業服を着て鉄鋼作業の現場にいるシーンでも。そしてホテルのロビーで
元恋人に会うシーンで「ちょっとまてよ!」と言ってるところは、御曹司でも
経営者でもなく「キムタク」に一瞬なってました(笑)。ぴったり度は30点くらいですが
今回は、この長男・鉄平が主人公ということで、華麗度は80点。あ、小説の中だと
鉄平は、口ひげを黒々とたくわえているそうです。
万平寧子(やすこ)(原田美枝子)
おすべらかしの髪型が似合いそうな、純日本風の顔だち/臈たけた美しさ
公家出身の大介の正妻。華奢で浮世離れして世間知らずのお姫様育ちの寧子。
原田美枝子さんは、どちらかというとセクシーな迫力のある感じがするので、
ドラマでの和服姿は美しいけど、この何年たっても人形みたいな奥さんの役とは
ちょっと違うかも。と個人的には思いました。もうちょっとのっぺりした人でよかったかも。
高須相子(あいこ)(鈴木京香)
到底40過ぎとは思えぬ豊満な肢体と彫りの深い美貌
身長163センチ、ウエスト65センチ、ヒップ87センチのスタイルに、
バストだけが90センチという豊かさだった。
大介の愛人で、万俵家の子供たちの結婚を取り仕切ったり、女執事のように
政治力を発揮する才色兼備の女性。スリーサイズまできっちり設定されているのに
びっくり(ちなみにスリーサイズが出てくるのは、彼女が月に2度の全身美容(現代で
いうところのエステ)に出かけたシーンで)でした。ドラマの1話目から、胸の
谷間もあらわにエッチで貫禄のある雰囲気で鈴木京香さんがぴったりはまってます。
一瞬、目鼻立ちがハッキリしていてナイスバディの美女、ということで、昔なら
松坂慶子さんかなーとも思いますが、松坂さんに野心家の役ってちょっと違うし…
ちなみに京香さんは、身長166センチ、B88 W59 H89と、相子よりメリハリ美人。
万俵銀平(山本耕史)
彫りの深い端麗な顔であったが、どこか冷たさが漂っている。
気障なほど瀟洒でありながら、どこかにニヒルな冷たさがあって、若い女性なら
誰しも心惹かれそうなタイプであった。
父が頭取を務める銀行で課長を務める万俵家の次男・銀平。お金持ちのわがままな
お嬢様との縁組を控えても冷めたままのクールビューティーなタイプで、熱い
鉄鋼マンの兄とは対照的なタイプ。山本さんは、よく見るとなかなか素敵なお顔立ちだと
思うんだけど「彫りの深い端麗な顔」とか「瀟洒」みたいな感じではないんだよなー。
銀平の役が木村さんに来てもおかしくなかったんじゃないかな、と容姿的には
思わなくも無く。冷めた感じはよく出てるし、お金持ち感は兄・鉄平よりあるかも。
ここにオダジョーが来てたら視聴率30%行ってたでしょう。
美馬(旧姓・万俵)一子(吹石一恵)
色白の細面に、一重の張りのある眼とつぼむような小さな口もとをし、
万俵家の長女。次女・二子、三女・三子(ドラマではいないことになってます)が
商売をしている父譲りの押し出しのつよい彫りの強い顔なのに対して、この長女は
性格も容姿もおとなしくおっとりした母に似てる、という設定。吹石さんの一子は
寂しそうでおとなしそうに見えるので良いと思いますが、小説だと35歳の設定。
30代後半で楚々としてて色白、ということで、大塚寧々あたりもアリだったかも。
もうちょっと若くていいなら小西真奈美? 単にそのへんの方たちの和服とか
昭和ファッションが見たいからかも。
美馬中(あたる)(仲村トオル)
女のように色白な容貌をしながら、歳に似ぬ尊大さと俊敏さが目につき…
やや鼻にかかった女性的な声で
一子と閨閥結婚をした官僚。小説の容貌の描写と仲村トオルさんは全然
違うんですが、暗い野心を胸に隠して万俵家の婿として大介に情報を渡したり
いろいろやってるという役どころはハマり役の予感。
鉄平の妻の長谷川京子さん演じる早苗とか、次女の二子については、あまり
容姿の描写がなかったので割愛。ハセキョーも二子役の相武紗季ちゃんも好きなので
かわいい着物で出てきてくれるだけで楽しいです。二子の恋愛も楽しみ!
というわけで、ついつい勝手なことを書いてしまいましたが、しばらく毎週は
日本テレビの「行列のできる法律相談所」を録画しつつ、「華麗なる一族」を
リアルタイムで追いかける予定です。