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「花宵道中」宮木あや子

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「花宵道中」
宮木あや子
「第5回R-18文学賞」大賞・読者賞W受賞。
吉原を舞台に花開く、けっして成就する事の
ない遊女たちの恋を描いた連作集。
「R-18文学賞」という賞は、女性による
女性のための官能小説を募集するもので
新潮社主催で開催されている。
青春小説のジャンルで現在勢いのある
豊島ミホさんもここの読者賞でデビュー。
遊郭を舞台に、現代の女性の視点で
描くラブストーリーというと、マンガのほうで
既に傑作(安野モヨコの「さくらん」。
映画はキャストと監督が自己主張強くて見に行く気になれないが)が
あるので、どうしても比べるみたいな読みかたになっちゃう。
もっとうがっちゃうと、さくらんを読んで、遊郭=セックスと売られた女の悲しみ、
おお、官能小説向け、みたいなことでもしかして書き始めたのかな、とさえ
思ってしまった。
それくらい、伝わってくるものが薄味だったのである。
官能小説の賞だから、エロがすごければいいのかもですが、そのエロに
しても、週刊現代の「女薫の旅」(これはすごくよくできたエロ小説です。
貧乏な昭和の少年が、いろいろな女性に手ほどきを受けていく、という
ベタ設定なのですが、貧乏で汚い靴下を履いているので、女性の体を
探りながらも「これ、脱がないと」と必死になるとか、描写が執拗で
キャラも立ってる)とかエロ小説として売れてるものと比べると(ついでに
渡辺淳一の描くラブシーンと比べてさえも)、とりあえずからんでます、という
印象しか受けないんですよねー。

なので、エロ小説としても、時代物小説としても、恋愛小説としても、
どうも中途半端。そして文章のリズム感が悪くて読みにくかったです。

帯に、角田光代、三浦しをん絶賛、とあったのでとりあえず
読んでみたけど、ビミョー。遊郭を舞台にしたプロモーションビデオ(しかも
安いVシネマ風)みたいな印象で残念。廓ものでドキドキしたかったな・・・
by tohko_h | 2007-02-28 21:20 | reading