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出版系小説「グラビアの夜」「愛でしか作ってません」

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「グラビアの夜」 林真理子
グラビアタレント、そのマネージャー、ページを担当する編集、
ヘアメイク、スタイリスト、そして、カメラマン。グラビア撮影の現場に
集まる人々が次々と語り手になって浮かび上がるグラビア撮影現場の
内幕モノ。林さんの担当者がグラビア担当編集だった過去がある、という
ことから生まれた作品だそうですが(文芸誌の対談でそんな風に書いて
あったような)、うーん、林さんが書くべきテーマだったのかな、コレ。
彼女は「女と女」を描くと一流だけど、恋愛モノの男女の描写になると
若干古風だったり(ラブシーンの流れさえも)、こういう現代風俗を
切り取るっていっても…アパレルとかコスメの世界とか、女性誌的な
もののほうがうまいし、需要も大きいと思う。タレントの子が
整形どれだけしてるとかムダ毛がどうの、とか、グラビア界の裏、というか
ディテールを使ってこぢんまりとまとめた印象。これが、グラビアアイドル
同士がしのぎを削るとかカメラマンに対して媚び合戦するとか、
そういう林さんぽいえぐさがあればもっと面白かったと思う。
一言で言えば、つまらなくはなかったけど…って感じ。


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「愛でしか作ってません」 後藤田ゆ花
男の子同士の恋愛とエッチを描くボーイズラブ専門の出版社が
突然、倒産の危機!
それでもあたしたち編集部員は、夏コミで同人誌を買いあさり作家を
探し、編集部ごと買い取ってくれる、身売り先を探し、倒産したら
バラバラになって売り飛ばされちゃうかもしれないから頑張って
原稿返却もする。もちろん、作家は不安にさせちゃいけない!
とにかく、原稿を死ぬ気で取るし、単行本のオビのあおりで全ての
萌えを表現しつくしてやるんだから!みたいに頑張る話。
どこの会社の話か…かなり、最近のことなのでまるわかり!
つまり、倒産を経験した編集が、身売り先の版元や企業を
探し歩いているうちに、大手出版社の編集長に「君はものを書く人の
顔をしてる」と言われ、この倒産騒動を小説にしましたーという話。
どこまでがフィクションなの?とムダに頭を使いつつ読んでしまった。
いや、どっちでもいいんだけど、エンタテイメントとして成立してれば。
語り口が、自意識むっちゃ強そう~という感じで、好き嫌い分かれると思う。
そして、私は、仕事で似たようなことをやってるので、写植がどうのとか
原稿作成がどうとか、非常に仕事の現場の描写は読んでいて
しっくり来るんだけど、どうやってマンガが作られるか知らない人が
コレを読んで理解したうえで楽しめるかどうか、といわれたら…
かなり、難しいと思う、正直。タイトルはもちろん「ボーイズラブへの
愛でしか(本を)作ってません」ってことなんだろうけど、「自己愛
(本を作ってるあたしカワイイ、という意識)でしか書かれてません」
という印象の、小説(?)。
by tohko_h | 2007-05-09 23:37 | reading