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「きみはポラリス」 三浦しをん

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「きみはポラリス」 三浦しをん
三浦さんのブログによると
三浦案「山椒は小粒でもピリリとからい」
担当編集者案「ミンクとスカンク」
というタイトルがつきそうになったといういわくつきの(笑)
恋愛小説集。
冒頭の1話と最後の1話は、ラブレターを書こうとしている男の子と
彼のために文章を考えてる男の子同士のやりとりが生き生きしていて面白い。
でも意外とドロッとしてるんですよね・・・この男の子の本音も・・・
あとはばらばらな短編。
夫婦、ペット、宗教、などなど普通のラブストーリーではあまり
熱心に取り扱われないような方向性の「愛」を丁寧な筆致で描き出す。

私が好きだったのは、ある老夫婦が出てくる話。病で逝きそうになる妻が
残していく夫と交わすぶっきらぼうな愛の言葉にウルっとした。

それにしても、いい意味でクセというか独特の文体が無いというか、
自由にいろいろなスタイルで書けるのがすごいな、三浦さん。
一番成熟していた頃の向田邦子の短編に通じる凄み、死と官能の
においがする作品もあれば、漫画チックにかわいいカップルを書いて
そのまま、「コーラス」や「KISS」でコミカライズされそうなお話もあって
その作風の幅広さ、柔軟さにびっくり&リスペクトです。

装丁のかわいらしさ、甘口のタイトルといい、かつてオリーブ少女だった
女性から、現役の文学少女までがターゲットの作りなのかな?という印象。
by tohko_h | 2007-05-22 23:41 | reading