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「マリー・アントワネット」

DVDが発売されたので、さっそく地下鉄の駅にある自動レンタル機で
借りて「マリー・アントワネット」、見てみました。
監督のソフィア・コッポラですが、監督デビュー作の
「ヴァージン・スーサイズ」が好みじゃなかったので、
それ以来観てなかったのですが・・・

今回は「綺麗で楽しそう~」と何となく手を出してみました。
その「ヴァージンスーサイズ」でカントリー風のワンピース姿が
野暮ったかったな、「スパイダーマン」のヒロイン役もビミョーだったよね、
ということで「可愛くてにっこり笑うと大体のことはなんとかなった」という
マリー(以後、私の知識は、ベルサイユのばら、からのものですべて
まかないつつ書きます(笑))、キルスティン・ダンスト=マリーってのは
ありかしら、と思ったんだけど…

ピッタリでした! ドレス姿のデコルテの美しさ、頭の小ささ、そして
儀式ばったフランスの宮廷でもだんだん茶目っ気を発揮して
生き生きしてくる瞳…すごく可愛く見えてびっくりしました。
私の好きだった海外の女優さんに、クレア・デインズという人がいました。
ディカプリオの相手役で「ジュリエット」やってた人です。
この人も美人顔とは違うんだけど(実際、いかにもジュリエット!な
容姿のナタリー・ポートマンを押さえてオーディションに通ったのは
すごいなって当時思った)、ニッと勝ち気そうに笑う感じがちょっと
似てるなーって思ったりもして。漫画で描くと、どっちの笑顔も
背景に「にっ」って描き文字入れておきたくなるような(笑)。

こちら、キルスティン@マリー・アントワネット。
「マリー・アントワネット」_a0079948_1847468.jpg


んで、こっちが、クレア@ロミオ+ジュリエット。
「マリー・アントワネット」_a0079948_18475342.jpg


14歳で何もわからないまま異国の花嫁となって、なんとかなじもうと
空回りする様子がけなげで、悲劇の王妃、というイメージじゃなくて
「普通の貴族のお嬢さんが重い任務を押し付けられて大変そう!!」と、
すごく見ていて、可愛く見えれば見えるほどなんだかキュンとしました。
漫画の男らしいフェルゼンと違い、ずいぶん軽薄なプレイボーイ風の
映画のフェルゼンにあっさり落ちてしまうのも、マリーが孤独だったから
だと思います。漫画だと、側近のポリニャック夫人は、慈悲深い
地味なんだけど女らしいタイプに描かれてたけど、映画では、
「ハーイ!」といきなりため口で王妃に近づいてくるような陽気な
アメリカ風の女性になってました。ルイ14世の愛人・デュバリー夫人の
下品っぷりも、漫画なんてものじゃありません。場末のスナックで
働いてて、オフの時間には髪にカーラーつけて「その人なら先月
引越ししたわよ」と眠そうに刑事に教えてあげる隣のホステス、
みたいな崩れた雰囲気のデュバリーでした。あるいは、誰も
書いてもわからないと思うけど、「デンジマン」の悪役のへドリアン女王、
みたいな…とにかく濃くて脂っこそうなキャラになってたなぁ。と
見ててもベルバラとの違いばかり考えてしまっていいのか…でも
ストーリーの流れがわかりやすかったので良かったとは思う(笑)。

レンタルDVDなので、映画本編の前に何本か、これからDVDになる
他の映画の予告が収録されているんですが、その中に「さくらん」の
予告編も入ってました。
なんか、この予告と続けて見たせいか、ちょっとかぶってる気がした。
ていうか、いくつかの共通点・・・

監督が、大物の娘(世界のコッポラ監督と、世界のニナガワ)

毒々しい一歩手前の独特の色彩感覚(蜷川実花の人物の撮り方は
あまり好みじゃないけど、色は綺麗だと思う)

宮廷と遊郭、と、セレブと地獄、の違いはあれど、女性が閉じ込められて
不自由を強いられる特殊な環境で自分らしくありたいともがくヒロインが
だんだん諦めと開き直りを覚えて壊れていく…

どうでしょう・・・(強引かもしれないけど、たまたま続けて見た感じに
なったらそんな気になってしまったんで)

アントワネットが遊興にふける象徴として、派手なドレスとヘアメイク(なぜ
お抱えヘアメイクがオカマ設定なのか。ヘアメイクの男性=ゲイっぽい、
という偏見ぽい思い込みって万国共通・・・?)と一緒に出てきたのが
マカロンとシャンパン。というわけで、ご自宅でこれからレンタルとかして
見てみよう、という方には、この両方を用意してからの鑑賞をお勧めします!
by tohko_h | 2007-07-23 23:24 | watching