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「やってられない月曜日」柴田よしき

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「やってられない月曜日」
柴田よしき

高遠寧々・28歳。
名前は少女漫画だが、ご面相は
フツー・・・というのも苦しいかも?
コネでもぐりこんだ大手出版社・
経理課勤務。領収書をごまかす
無礼な人もいるし、コネの後ろ
めたさもあるけど、コネ仲間の
親友・弥々だっているし、
忙しい決算時以外は、基本的に


マイペースでいられる悪くないOL暮らし。アニメとか模型とか、ちょっと
ヲタクっぽい趣味はあるものの、基本的に、平凡な毎日を淡々と
過ごしている・・・働く女子を描いた小説は多いけれども、これは
キャリアウーマンとしても美化されてなく、かといって、恋愛ばかりで
お前いつ仕事してるんだ?とウソくさい感じもない等身大なヒロインの
目線がぶれてないのが読んでいて安心できる感じ。
寧々や同僚たちの周辺で起こる事件は、出版社が舞台と言っても
あの漫画やドラマにありがちな「原稿をなくした」「作家を怒られて
全員で熱く土下座した」みたいな、もうおなかいっぱい!な展開では
なかったのもよかった。不倫やパワハラなど、どこの会社でも
ありえなくはなさそうな感じの出来事。それらを知ることによって
寧々が、仕事って?会社って?といろいろ考えて、最後には
物語が始まった頃より、ほんの少しだけ会社や仕事と仲良く
なっているような予感で明るく終わるのも良いです。物語は
本のタイトルになっている「やってられない月曜日」から始まって
火曜日、水曜日、と曜日ごとの章立てになっているので、1日1章ずつ
通勤電車の中でざくざく読むのも似合いそうな1冊です。
このままドラマ化や漫画化、そのままいけちゃうんじゃないかな。
という判りやすい破綻のない安心して読めるお話です。

柴田さんは、自分の中で、東野圭吾や石田衣良と並んで、
当たり外れの差が割と激しい作家さんなのですが、これは、
素直に割とよかったな、と思いました。

ついでに、乗り換えの駅で読む本が切れて、慌てて売店で
適当に買ったのも柴田よしき。こっちもまあまあよかったです。
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「ふたたびの虹」
柴田よしき
丸の内の片隅にある小料理屋「ばんざい屋」。
東京にいながらにして、京都のおばんざいと呼ばれる
懐かしく温かい味わいのお惣菜目当てに、
地味な店構えながら多くのお客の心を掴んでいる。
そして、悩めるお客と出会ったとき、女将(おかみ)は
あざやかに、そして細やかに、でしゃばることなく
それらの問題を解決する為に謎解きをしてしまう、
ちょっとした名探偵にも…北森鴻さんの
「花の下にて春死なむ」的な、一軒のうまいもの屋を
舞台にしたミステリー連作集。
by tohko_h | 2007-08-27 13:00 | reading