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「真相」横山秀夫

横山秀夫の回し者じゃないですよ(ていうか、回し者なんて
いらないほど十分人気作家なのですが…)! といいつつ
また短編集を1冊ご紹介。いや、ここ1週間ほど「オレは秀夫に
恋してる」状態で、横山さんの作品を集中して読み倒していたので・・・
カッとなってつい大量にレビューを書いてしまった。でも後悔は
していない(笑)。

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「真相」横山秀夫
人生の陰の部分に
光をあてた(あれ?
日本語としてちと
怪しい?? でも
光があってこそ陰が
浮かび上がるって
いうか…まあ、よしと
しましょう、うん)
珠玉の短編集、全5編。


「真相」 自慢の息子を失って10年。犯人逮捕によって明らかになる
父の知らなかった息子の“真相”とは…

「18番ホール」 県庁を辞めて、祖父がかつて村長をしていた村の
村長選に出馬することになった主人公。村に残していた過去が
明らかにならないためにも・・・

「不眠」 自動車販売会社をリストラされた45歳の男は、製薬会社の
新薬の実験のバイトで金を稼いでいたが…副作用か、眠れない日々が
続き、ハローワークに行っても職がない。そんな彼がある事件に巻き込まれ…

「花輪の海」 大学時代、空手部の夏合宿のしごきで起きた恐ろしい
出来事…大相撲業界で話題になってる暴力問題を思い出しつつ読んだ。

「他人の家」 過去の罪を償い妻とつつましく生きる男。しかし、自分が
起こした事件のことがネットなどで噂になり、この町を出て行かなければ
いけなくなる。変わった苗字なのですぐにばれてしまうのだ。ありふれた
苗字とありふれた生活を夢見る彼らの前に救いの手が…

どの話も、重い人生を不本意ながら生きていくしかなくなった
人物たちのやるせなさやしんどさが丁寧に描かれていて、
読んでいて息苦しくなってくる。ほろ苦い中にもどこか救いや
抜けがあるお話が多い横山氏だが(苦いエンディングでも、
永遠に救われないだろう、みたいな悲惨なものは少ないように
思う)これは、本当に重苦しいままで終わるお話が多いので、
落ち込んでいるときにはお薦めしません。読んだ後誰かに
話かけたくなります。救いらしきものもどこかに
ちょっとはあったよね、と確かめたくて。

自分的プライス)
定価¥630(税込) (税込)→自分的プライス¥720(約114%)

ハードカバーは、やはり1785円なのですが、これは何度も読み返すまで
至らないなーという気がしてそこまでの値段付けはしませんでした。
ただ、定価以上の読み応えはあったと思うので1割ちょっと増で。
by tohko_h | 2007-10-20 22:02 | reading