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「クローバー」島本理生

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「クローバー」
島本理生
内気な文学少女が
丁寧にノートに綴った、
良い意味で硬質な
輝きを放ってる作家さん、
という印象が強かった
島本さん。少し頑固で
古風でまじめで、みたいな。
しかし、最新作は
とってもポップなラブコメ!


例えれば、
黒髪で清楚な新垣結衣ちゃんとデートの
約束をして待ち合わせたら、現れたのは
ギャルギャルしいファッションで
ハスッパに脚を組んでついでに腕組み、
みたいな姿。でも脚きれいだし、
こんなガッキーもいいかもみたいな。
すみません、木村拓哉さん並に
今夜の例えは我ながらまどろっこしいっすね。
たとえることで本質が遠ざかる…まさに
木村マジック!

さて、本題の「クローバー」は、そんなこんなで
内気な女の子の静かな激しさと内面の泡だちを
描く巧みさを持つ島本さんが、誰が見ても激しい
女の子をメインに、彼女と顔がそっくりな双子の
男の子を内気キャラに据えて送る恋愛コメディ。

素材は微妙だけど、モテメイクとモテファッションで
せいいっぱい恋に生きる姉・華子と、理系の大学に
通い「大学院か就職か」悩んでいる弟・冬冶。
この双子を中心に、華子にベタぼれで、振り回されて
喜んでるおかしな公務員の熊野さんや、冬治に
接近してくる、コミュニュケーションが無茶苦茶
へたくそな雪村さん、華子に八つ当たりする
生意気な年下のいとこの男の子など、個性豊かな
キャラクターが現れて、ちょっとした騒動が
あったり、飲み会があったり、皆で焼肉囲んだり
お弁当を持って遊びに行ったり…
タイトルに「クローバー」がついているせいも
もちろんあるけれど、初期の「ハチミツと
クローバー」的な、おちゃらけてるけど実は結構
深刻で青春もそろそろ終わり?みたいな
モラトリアムものとしてもなかなかよくできている。

華子のわがままの裏側の自信のなさ、優しいだけに
見える冬治のエゴ、鈍感そうに見える熊野の繊細さ、
弱弱しい雪村さんの底力、など、人間、色々な面が
あって、それを色々なタイミングで見せ合うことに
よって、物語のように関係や人生って変わっていくなー
と、いい意味で思える、読んだあとちょっとだけ
なんとなくいい気分で元気になってるような1冊。

定価)1365円(税込)→自分的プライス1200円(≒88%)
おおむね満足だったということで、まあ、ハードカバーで
ちょっとお手ごろ価格だったら文句なしかな、と。そんなに
長い話ではないので…で、ちょっと定価よりさげてみました。

類書はいかが?
本文中にも書いたけれど「ハチミツとクローバー」(羽海野チカ)。
大ヒットマンガですが、クローバーつながりでお薦め(前半の
面白さは自分の中では神がかってます)。
by tohko_h | 2007-11-19 23:33 | reading