人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「ためらいもイエス」 山崎マキコ

「ためらいもイエス」 山崎マキコ_a0079948_0113912.jpg
「ためらいもイエス」
山崎マキコ
三田村奈津美・28歳。転職に
成功し、キャリアに生きる
勝気な女性。別にそうは
見えないし、誰も知らない事
だけれど、彼氏いない歴と
年齢が一緒の処女である。
だけど、奈津美にとって
それはコンプレックスでは
ないし、気にしたり悩んだり
していない。恋愛をしない
人生に疑問も不満もなく、
日々を自分なりに充実させて生きているから。
ところが、ある日を境に、会社のサークルに加わりそこで恋が
勃発したり、お見合い相手のタイプじゃない男性も優しくして
くれるし、なんだか、モテ期らしきものが来てしまったようで・・・
恋の修行をしないまま大人になった女性が、不器用にもがきながら
仕事に恋愛に体当たりでぶつかっていく痛快成長小説!

最初の方は、ヒロインが勝ち気を越えてなんだかガサツで
かわいげがなさすぎて、なかなか好きになれないタイプだったのだけど、
お見合いやサークル活動を通して、また、後輩女子にかわいいメイクや
服を伝授されて外見をブラッシュアップした結果として、素直に
「女の人」として花開いていくあたりから物語は面白くなる。

まじめに受験勉強をし、いい会社に入り立派に働いて来た奈津美は、
職場では管理職候補のエリートだけれど、恋愛や人間関係については
どちらかというとオクテというか、不器用で要領が悪く、言い寄るウザい
男をさらっと受け流したり、意地悪な女の子に適当に愛想良くして
無難にその場を取り繕ったりが苦手。それゆえに、失敗もする。

だけど、そのたびに「思春期を(勉強などで)棒に振ったぶん、今、
取り戻してる」とどこか満足感や誇らしさを抱く奈津美が面白い。
生意気な口調だけど彼女を慕う後輩の青ちゃんや、初めて心から
好きになった謎めいた男、そして気さくで甘やかし上手なお見合い男、
などなど、脇キャラも皆しっかり描かれていて、これ、ドラマになったら
きっと面白いと思う。恋愛だけじゃなくて、仕事や家族の問題についても
30歳前後の人ならどこか、感情移入できる「ありそう」というリアリティある
描写がなされていて、なんだか、自分の知り合いの話みたいにさえ
思えてくる。うん、面白かったです。

定価 ¥690(税込)→自分的プライス¥680(≒98.6%)
そんなに長い話じゃなかったので、まあ、700円切ってればいいんだけど…
前半がちょっとかったるかったので10円安で。

類書で散歩コーナーはお休み(前に2冊くらいこの作家の本を読んだけど
自分には合わず勧めようがない・・・)!
by tohko_h | 2007-12-12 00:15 | reading