人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「名もなき毒」宮部みゆき

「名もなき毒」宮部みゆき_a0079948_12114054.jpg
「名もなき毒」
宮部みゆき
「誰か」で登場した
大企業の婿・杉村が
また探偵役として登場した
本作。出張新幹線のお供に
読みましたが、後味が悪く
名古屋につくころには
どんよりした気分に・・・


連続毒物殺人事件の被害者と思われる老人とその娘と孫娘。
孫娘の相談に乗ることになる杉村。更に、杉村が働く出版社の
使えないアルバイトの女の子をくびにしたら逆恨みされ…
という外での緊張感ある話と同時進行して、お嬢様のまま
結婚した妻とその娘との新居建築の話が描かれる・・・
毒物殺人事件に使われた「毒」、アルバイトの女の子の心に
巣食う、人を信じられないという「毒」、そして、生まれながらの
格差に苦しむものが持ってしまった幸せを放棄する「毒」…
連続殺人事件をモチーフに、人の心に少しずつある毒を描いた
内面の物語といったところか。
内面の描写にも宮部みゆきは丁寧で執拗な密度を保つ。それが
くどくてちょっと読みずらいんですよね、個人的に。「誰か」ほどは
ストーリーにメリハリがなく、読んでいるうちにちょっと飽きて
きちゃいました。

あと、他の宮部作品を読んでいても思ったんだけど、私、この人と
好みが決定的に合わないことがわかりました。好みっていうか
人の好き嫌い。宮部さんが「このおじいさん素敵でしょ」とか
「この男の子可愛いんだよ」とか「この女の子は元気で爽やかで
誰からも好かれるの」と出してくるお気に入りキャラが、なんか
偽善のにおいが鼻につくタイプでねー、ダメなんですよ
(ちなみに「バッテリー」のあさのあつこ氏の少年萌えも、私とは
ベクトルが違う…あの主人公が陰険でじじむさく思えるのは
たぶん私だけなんだと思うけど)。
今回の「名もなき毒」でもひとりいました。
「爽やかでみんなに好かれる女子大生の女の子」というキャラがね、
自分の中では、うるさくて可愛くなくて、もう脳内イメージは篠原ともえで
決定、って感じでねー、嫌いでした。
すみません、今回、書評になりませんでした。ま、素人なので
こんな日もあるさということで・・・

定価1890円(税込)→自分的プライス630円(≒33%)
文庫ならまあいいか価格ということで。
by tohko_h | 2007-12-16 12:10 | reading