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「くらしのいずみ」谷川史子

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「くらしのいずみ」 谷川史子
飄々とした妻の愛情が信じられず
オロオロする若い夫、勝気な
姉さん女房で甘えベタな自分を
もてあます体育会系奥さん、
妻を亡くした先生と若い教え子の
年の差結婚、バリバリの編集者の
女性が既成事実だけ欲しくて
してしまった偽装+別居結婚。
家族としてもっとも最小単位の
「夫婦」がテーマの短編集。


かつてりぼん200万乙女(昔はそれだけ部数を誇っていた!!)
だったころの私は、可愛いけれどシンプルな絵柄と、制服や
マフラーや半そでが似合う清潔な少年少女の爽やかで純情な
ラブストーリーがワンパターンに思えて、谷川史子はあまり好きじゃ
なくて、飛ばし読みしてたことも多かった。付録なんかも先に
使っちゃってた気がする。
しかし!
男子には人気なんですよね、谷川漫画って昔から割と。
りぼんの話を同年代の男子とした場合、
「ときめきトゥナイト」や「月の夜星の朝」は読んでなかったけど
谷川さんの「きみのことすきなんだ」は好きだなーなんて声を
たまに聞くことがあった。
そういうわけで、りぼんっこだったけど、谷川さんには特に思い入れが
なかった私ですが、たまたま読む機会があって、大ハマリ!

谷川さん得意の、さっぱりとした少年少女の清潔な恋、という世界を
思い切り突き抜けた「くらし」というリアルな場面を、ムダの無いネームと
明るくてムダの無い絵柄で見事に描いていた。夫婦間だって、ウソとか
嫉妬とか、ヘンな見栄とか、身内になったっていってももとは他人の
男女なわけで、色々そういうやっかいな感情があるわけで、そんな気持ちを
もてあまして失敗もするわけで。しかし、失敗しても、誤解してもされても
また明日から始められるのはなかなかお得かな?と思ったり。

というわけで、結婚も、恋愛とは違うベクトルで大変だったり、でも
基本は人が人を思ってる「状態」が土台にあるんだし悪いものでは
ないですよ、みたいなことが押し付けがましくなく描かれた佳作です。

最後に納められた結婚前のカップルとその花嫁の親友女子の複雑な
心境を描いた奇妙な三角関係のお話もよかった。
by tohko_h | 2008-03-09 17:45 | reading