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「RURIKO」林真理子

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「RURIKO」林真理子
大スター「浅丘ルリ子」のデビューから
昭和を生き抜き、平成をむかえ、
なお輝き続ける今を描いた伝記的小説。


私は、いわゆる団塊ジュニアなので、両親=団塊の世代の青春を語る
ときに、必ず出てくるのが、石原裕次郎と浅丘ルリ子なのでした。
日活というと、物心ついたころから「ロマンポルノ」という印象が
あったのですが、戦後、打ちのめされた日本人の心を明るく盛り立てるような
映画がたくさん作られた会社だったようです。そこに、美しい少女・ルリ子が
女優として入り、若く美しい俳優仲間とともに、日本映画界の住人となります。
少女のようにほっそりと美しいルリ子は、大人っぽい雰囲気の北原三枝に
憧れ、また、やんちゃな太陽のような石原裕次郎の強い光に惹かれます。
裕次郎と三枝が恋人同士だと聞いて、複雑な思いにかられたりもして。
そして、型破りな魅力を持つ裕次郎に少し遅れて登場した、端整な顔と
少し甲高い声ですがしっかりした苦労人な面もある小林旭が入ってきます。
ルリ子は、旭の映画シリーズのヒロイン役をレギュラーで演じることに
なります。旭の男らしさといったら、雑誌の対談で出会った美空ひばりを
魅了するほどでした。

というわけで、昭和の大スターがつぎつぎと現われて、スクリーンの
中で、そして外で、愛や恋、喜びや悲しみを積み重ねて、大人に
なっていく過程が描かれていく、ちょっと変わった青春グラフティです。
林さんがどのくらい浅丘さんに取材をしたのか、わからないのですが、
後に出てくる、石坂浩二(のちにルリ子と結婚)の、インテリな都会の
青年ぶり、の描写が特にうまかったです。裕次郎とかひばりクラスの
人たちは、やはり裏側を多少描いても、どこまでも太陽のように明るく
まぶしい「スター」という感じですが、旭とか石坂の「ステキだけど割りと
普通なところもある人」の陰影の描きかたなんかは、林真理子らしく
少しシニカルだったりして、うまいな、と思いました。

とりあえず、実家の親に貸してあげようと思います。リアルタイムで
色々知っていたり、映画も見ていたはずなので、補足や誤解してる
所などを色々教えてもらえるかも。
by tohko_h | 2008-06-03 23:35 | reading