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「ユージニア」恩田陸

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「ユージニア」恩田陸
日本推理作家協会賞長編賞作。
といっても、これ、推理小説とは
正直ちょっと違う。いわゆる謎が
解けるようなスカッとした爽快感とは
ある意味対局にあるというか、
謎そのものを楽しむ小説なんだ
ろうな、という印象を受けた。


かつて、北陸の人々を震撼させた旧家の大量毒殺事件。
当主の誕生会に集まった人々が17人死に、生き残ったのは
たったふたり。うち、ひとりはその家の中でもっとも美しく
賢い盲目の少女だった…。ほどなく、毒物の入った飲み物を
届けに来た青年が犯人として捜査線上に浮かび、事件は
恐ろしい印象を残して終わったかに見えたが…
数年ののちに、その事件をモチーフにした本を出版した女性、
当時捜査にあたった刑事、生存者の一人であり、犯人として
疑われてつらい目にあった家政婦のような女性など、関係者の
言葉で語られていくあの1日・・・

丸窓のある洋館、青い部屋、殺人現場に残された不思議な詩、
古くて独特の雰囲気の北陸の町、庭に咲く白い花、そして盲目の少女…
謎めいた美しい雰囲気が大好きな人にはたまらない道具立てが
完璧にそろえられた世界。幻想小説のように楽しむのがきっと
正しいんでしょう。私にとっては「夜のピクニック」なんかも
そうなんだけど、雰囲気先行の小説ってあまり好きじゃないので
冷静に読んでしまったけど、われを忘れてのめりこめたら
うっとりするんだろうな、と思う。はまりこめるほどきちんとした
世界観が構築されてるし、作品全体がこってりとした独特の
空気感に満ちているので。
ムード歌謡ならぬムード文学とでも言うんでしょうか。

まあ、つまりミステリアスな話を読むときは「誰が何のために」っていう
(犯人と動機)ところ、そのつぎに「どうやって」(犯行の方法)が
気になる私のようなどちらかというと即物的な読者は、あんまり
お呼びじゃないんだと思います。

小説といえば話はガラッと変わりますが、ミニストップのCMに
作家の石田衣良さんが出てたのを昨日テレビで見かけてびっくり!
白桃ピーチパフェのCMでした。小説家が出るCMというと
昭和女の私なんかは「違いのわかる男、ゴールドブレンド」
というインスタントコーヒー(宮本輝は、知っている、って出演
してましたよね)くらいしか思い出せないのですが、男性作家と
パフェってのが意外で、印象に残っちゃいました。
by tohko_h | 2008-09-02 14:54 | reading