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「愛し続けるのは無理である。」内館牧子

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「愛し続けるのは無理である。」
内館牧子
電車用に買った内館さんの
エッセイ。50歳から東北大学の
大学院で宗教学を学ぼうと
決意し、また、信仰と相撲に
ついての論文を書くために、
まる2年シナリオの仕事を
休業した、という、勝気で
自由な生き様は、ホントは
凄く大変かもしれないけど…
非常に軽やかで楽しそうに書かれていて、気軽に読める。
横綱審議委員会についてとか世間の若者のバカさ加減に
ついては愚痴やお説教も辞さないけど、自分の身の回りの
あれこれについて愚痴らないのは潔い。女性のエッセイに
割とありがちな「愚痴と自慢のクラブハウスサンドみたいで
どーでもいいんですけど、これ」みたいなイライラがないので
意外と好きです。

今回、座右の銘をひとつ発見。
といってもそれは内館さん自身の言葉ではなく、故・阿久悠さんと
内館さんが何かの審査員としてある場所で同席したときに、
阿久さんが何気なくつぶやいた一言。

「プロっていうものは、相手の熱をいかにさめさせないか、
その手腕だからね」



内館さんは衝撃を受け、目が覚める思いがし、それから、
つくづく、そのとおりだな、と納得したそうだ。

人は飽きる動物だ、基本的に。
昨日と何ひとつ変わってないのに「もう飽きた」とか
「好きじゃなくなった」ってくらい、移り気になってしまうことさえ
ありえる。

また、何がきっかけでタレントや漫画やドラマやスポーツや何や
かやを好きになるか嫌いになるかも、わからない。
まさに、熱しやすく冷めやすい。

その「熱」を少しでも長く(阿久さんや内館さんがいる芸能の世界も
そうだし、私の仕事にも少しは言えるかもしれないし、単純に、
家族や友達や恋人との関係性においても「さめた」ってなったら
おしまいなわけですよね)保たせる手段・・・こうすれば絶対に
保温できます、という「正解」が無いのがまた厄介なんだけど。


でも、この阿久さんのプロ論は、なんだか心に残りました。

ちなみにこの本のタイトル「愛し続けるのは無理である。」というのは、
「愛しあったらそれが永遠に続くのが当然」と信じる若者の気持ちを
健やかでかわいらしいと思いつつ「でも実際はなかなかそうは
行かなくて、うそや無理ややせがまんでキープしたりもしてるのよ」と
清濁あわせ飲んだ上の世代の内館さんからのエールだそうです。

トカゲの尻尾みたいに新たな愛や新たな熱を追加して、永久機関ーって
回り続ける愛や萌えもあると思うのですが、燃料は大事ですな、うん。
by tohko_h | 2008-09-14 22:34 | reading