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容疑者Xの献身

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ある男が殺され、元は妻だった女性(松雪泰子)がもっとも怪しい容疑者として
警察にマークされる。しかし、彼女のアリバイは完璧だった。
まるで、わざとらしいほどに完璧なアリバイに、警察の疑いは
より強くなる。しかし、新たな証拠も出てくることなく、
捜査は行き詰まる。刑事の内海(柴咲コウ)や草薙(北村一輝)は、
ガリレオこと湯川(福山雅治)のもとへ。湯川は、容疑者の隣人が
大学の同窓生で数学の天才だった石神(堤真一)だと知り、興味を持ち、
久々に石神を訪ねる。相変わらずの数学オタクだった石神のらしさ、に
湯川は懐かしさを覚え、旧交を温める。しかし、捜査が進むにつれて
ものすごい頭脳の持ち主が事件に関係しているのではないか、そして、
それは石神なのではないか、と、湯川は思い始める。友情と猜疑心の間で
天才・湯川の頭脳は戸惑いつつも、回りだして・・・
原作は、東野圭吾の直木賞受賞作。

連続ドラマの「ガリレオ」は、ついつい全部見ちゃったくらい好きだったので
レディースデーを狙って映画も見てきちゃいました。
フジテレビの人気ドラマを映画化、ということで、「ガリレオ・ザ・ムービー」って
感じで、スタイリッシュでこってりとサービス過剰なエンタテイメント風なのかな、
そのサービスの方向性が間違って「流星の絆」みたいに、原作ファンに
つらいものだったら嫌だな、と思ったりしつつ。

あと、不安だったのはキャスト。
テレビでおなじみの湯川たちは、もう「この人がこの役なんだ」ってことで
すっかり自分的にはおなじみだったわけですが、石神が堤真一さんと
報道されたのを見たときは「うそーん」と正直思いました。堤さんの好き嫌い、
以前に、原作のイメージだと、小太りでもっさりと冴えない男、でも数学は
できて実は凄く頭がいい、という役柄なんです、石神。小説の中では、
ダルマ、と呼ばれていたはず。
それを、テレビドラマではモテ役やりまくりの堤さんがやるの!?
矢田亜希子を2度も振ったり(「やまとなでしこ」と「恋ノチカラ」)、
黒木瞳をものすごーくぶっきらぼうに口説いたり(「GOOD LUCK!」)、
個人的には、カッコいいかー?と微妙なので、いつも、複雑な気持ちで
2枚目姿を拝見してきた堤さんですが、でも、石神はないでしょーと
思ったのです。隣人で、憧れの女性に対して悲しいほど不器用な
数学の天才を演じるところが想像つかなかった。

しかし、最初の登場ショットから、堤さんは、石神になりきっていた。
というか、スクリーンの中で、完全に、石神として生きていました。
小顔でスタイルのいいイメージがあったのに、もっさり感は完璧に
再現、福山演じる湯川に「お前は若々しくていいな」と悲しそうに
言う場面に説得力があるほどなんですもの(これがおしゃれ系
恋愛ドラマだったら、福山と堤真一で柴咲コウを取り合う話に
なってもおかしくないんですよね、キャスティングだけ見たら)。

石神がへこめば見てるほうも一緒にへこみ、石神が苦しげだと
一緒に苦しくなり、石神がシアワセそうに微笑むと、ああよかったね、と
涙が止まらなくなるのです。
いや、すごい役者さんです。好きじゃなかったけど、もう、多分私
堤さんの悪口一生言えない(たとえこの先ドラマでどんなにモテても
逆にヘボい役をやっても、もう評価を下げられない…)。

それは、石神に対して友情を強く感じていたからこそ苦悩する湯川の
気持ちと重なり、映画にいやおうなくのめりこまされました。

そして、そんな湯川を、姉のように見守る、テレビシリーズのときの
きゃんきゃんうるさい熱血刑事から一皮向けた柴咲コウ演じる内海も
よかったし、最後に、「相棒」もびっくりの警視庁にしかられそうな
無茶をする草薙もカッコよかったし・・・

いやー、本当に、原作のよさを凝縮して、映像ならではの見せ場を
過不足なく散りばめた、見ごたえのある映画でした。
レディースデーで1000円で見ちゃったのが申し訳ないほど。
by tohko_h | 2008-10-31 01:50 | watching