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「スノーフレーク」大崎梢

「スノーフレーク」 大崎梢
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2006年まで書店員として
働いていた著者は、その経験を
生かして描いた、書店を舞台に
したミステリーでデビューし、
人気となった。本作は、冬の
終わりの函館を舞台に、高校の
卒業を控えた少女が、幼馴染の
少年の死の謎を追うという
青春ミステリーである。


海の近くにある、都会でも田舎でもない都市・函館。
高校を卒業したら東京に出て行くことが決まっているヒロイン。
父と、実母亡きあとに来た新しい母と、ふたりの間にできた実子、
という、ヒロインにとっては少しだけ居心地が複雑な家庭。
そして、明るく屈託のない可愛いタイプの親友と、頼りになる
少し男っぽいもう一人の女友達。
ヒロインにちょっかいをかけてくる、地元の高校では大人気の
明るい男の子。
そんな人たちに囲まれた日常の中で、彼女は、ネットのサイトに
「忘れる」とある日勢いで書いて周囲を驚かす。

6年前に、一家揃って冷たい海の中に車ごとダイブして心中し、
死んだはずだけど遺体のあがらない幼馴染の少年。

彼を彼女が忘れるなんて、あり?と。


舞台のロケーションの選び方、ヒロインのモテかた、周りの人の優しさなど
アイドル映画の原作ねらい?と思ってしまうような感じのミステリー。

そのジャンルには赤川次郎さんという第一人者がいるので、比べる気は
なくても、ついつい、文章に読みずらいところとか、場面が想像しずらいところが
あってつまづくと、読みやすさにおいてはちょっとなーと思ってしまったところが
何度かあった。最後に、亡くなった男の子のある秘密が明らかになり、ヒロインは
それを胸に抱いたまま新たな一歩を歩み出すという前向きなエンディング。
自分も18歳でヒロインと同世代だったりすれば、けっこうハマったのかなあ。
もしかして、こういうのを読むには私が年をとり過ぎたのかもしれないな、とか
ちょっとさみしくなりました。

しかしミステリーでもマンガでも多いパターンですよね。

親友その1→松 可愛くて活発で男の子にもモテる。
だけどヒロインにはなんかで一目置いていたりする
ヒロイン→竹 容姿は普通(と書かれてる割にモテる)で、そこそこ内気だが
クライマックスになると行動的になったりする
親友その2→梅 頭が良かったり頼りになったりするが、外見が老けていたり
ごつかったりして、男子受けは宜しくない

なぜかヒロインとお友達の間に格差があるというか。ちびまる子ちゃんでいうと
まる子やたまちゃんが普通の子で、美少女の城が崎さんがいて、いっぽう
みぎわさんとか野口さんが笑いとかダーク部分を背負わされる可愛くない子がいて、
的な。

チャーリーズエンジェルズみたいに「みんなタイプは違うけど可愛いの!」じゃ
ダメなんだろうか(エンタテイメントなんだし)。
by tohko_h | 2009-03-04 14:15 | reading