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「1Q84」 村上春樹

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「1Q84」(1)(2)
話題の村上春樹の新刊。出版不況の中、多作とは言いがたい
純文学作家の作品がこれだけ売れてニュースになるというだけで
作品の中身以前にある意味価値あるコンテンツともいえるだろう。
私は、周囲の人たち(主に会社の同僚の人たちなど)と、
指折り発売日を数えて「今日は早売りあるのかなあ」なんてワクワクと
情報交換したりというお祭り気分で楽しむことができて、読む前から
なんだか面白かった。なので、作品の評価というか楽しみ方が純粋じゃ
なくなっちゃうかもーとちょっと心配だったんだけど、1章目から
「あ、これは私が好きなタイプの話だ!」と確信。3日間かけて読みました。

ネタバレらしきものもちらほらネットに出てますが「これは〇〇がモチーフで」
みたいな具体的な事前情報が無いほうが面白いと思うので私はあまり
詳しく書かない方向で「読みました」という記録程度にしておきますね。

お話は「青豆」という変った名前の女性と「天吾」という男性が章ごとの
主人公として交互に出てきて進みます。
体育大学を出て、護身術のプロとして指導にあたる青豆と、
予備校の数学教師を続けつつ小説家を目指す天吾。
ある日、青豆は、護身術を教えている優雅な老女から、そして
天吾は、彼の才能を買っている編集者から、それぞれ、奇妙な
依頼を受けます。そこから、ふたりの日常は思わぬほうへ転がり出して…

ふたりとも、身近に居そうな平凡な部分と、村上作品らしい風変わりな
かたくなさを両方持った魅力的な人物で、彼らと一緒に同じ世界で
戸惑っているような気分になってしまう不思議なジェットコースター感覚を
味わえてとても幸せです。

しかし、60歳でこんなにみずみずしい文章を書ける村上春樹の書き手としての
若さ(未熟とかそういう意味じゃなくて)って凄いなーとしみじみ。
by tohko_h | 2009-05-31 23:26 | reading