人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ささやかな夢・・・禁断の一口。

出張に出かけたクールなモテさん(旦那氏)が帰宅したのは土曜日の夜。

で、翌日我が家に届いたクール宅急便には、こんなものが・・・ビバ米澤牛!
ささやかな夢・・・禁断の一口。_a0079948_2027412.jpg


立派な肩ロースが入ってました。これは美味しそう…
ささやかな夢・・・禁断の一口。_a0079948_20272646.jpg


実はモテさんは、お肉はしゃぶしゃぶが一番美味しい、とずっと
思ってたのですが、脂が甘くやわらかい米澤牛と出会ってすっかり
すき焼きひいきに。ということで、早速作ってもらいました。
日曜日の昼からこれって・・・なんて贅沢。すてきー。
ささやかな夢・・・禁断の一口。_a0079948_20275680.jpg


しかし我が家にはまだ、「これがすき焼き」という共通認識が結婚して
10年も経つのにしっかりできてません。味付けは、市販のヤマサの
すき焼きのもとがすごく好きなので決まってるんだけど…
私の実家では当然のように入れていたたけのこの水煮は入ってます。
ホントは、普通のネギと一緒にたまねぎも入れたほうが美味しいと私は
思ってるんだけど、モテさんいわく「甘くなりすぎちゃう」ってことで却下。
たまねぎ入れておくと、残ったときに牛丼風にアレンジできるし、とろけかけの
たまねぎが美味しいのに~。

今日は夏場なのでなんとなくはくさいはパスしてきのこを中心にしました。
しいたけ、まいたけ、しめじ、えのきとゴージャスに。あとは
焼き豆腐と白滝くらいです。

ほんとはずっしり赤ワインかヱビスビールといきたいところですが、
昼間だったし蒸し暑かったし気分泡だし、ってことで、ロゼスパークリング。
先日、恵比寿のワイン専門店で仕入れたばかり。
ささやかな夢・・・禁断の一口。_a0079948_20282559.jpg


コルクまでキュートです。なんか捨てがたくてとっておいちゃうことに。
ささやかな夢・・・禁断の一口。_a0079948_20283883.jpg


ロゼって淡いピンクベージュなものも多いけどこれは蛍光ピンクよりの
鮮やかな色。
味は酸味の強いフレッシュ系で、これですき焼き食べなくても…といわれると
もっともなのですが、私としてはオッケーです。
ささやかな夢・・・禁断の一口。_a0079948_20285230.jpg


というわけで、美味しくいただいて(アフターはうどんを炒めて…個人的には
白いご飯をひとくち一緒に食べたかった)、シェフことモテさんは
昼風呂(これも日曜日の贅沢ですよね)、私は後片付けを…

お鍋には、ネギのかけらものこってません。







ささやかな夢・・・禁断の一口。_a0079948_203348.jpg


そう、すき焼きの鍋に最初になじませる脂です。

すき焼きのあとは、茶色でテリテリで香ばしく色づいています。

ゴクリ・・・

子供のころから、とんかつでもステーキでも、端が一番好きでした。
脂身がたっぷりついた、時には7割も8割も脂身の部分。
透明でぷるぷるしていて、とろける食感。

コレステロールとかカロリーなんて言葉は知らなかった天真爛漫な
子供のころから、大好きでした。

そんな私が、すき焼きの脂身に恋焦がれたのももっともなこと。
脂のプルプル部分が100%、ですからね。

でも。
子供だった私が、親に「すき焼きの最後に、脂を食べたい」と頼んでも
体に悪いから…太るし、と止められていました。

あれから苦節20何年が経ったことでしょう・・・


今は、痩せるのは難しくても太るのは簡単、とか、
脂っこいものを食べ過ぎると吹き出物ができたりする、とか、
人並みの常識を持ち合わせたレディに成長した私。

しかし、鍋の端にちょこんと残っている茶色の脂身・・・

消しゴム(50円の普通のMONO消し)くらいの大きさ。

口うるさい家族はお風呂の中。

私は思いました。

(これは、一生一度の神様がくれたチャンスかもしれない・・・)

そっとさっきまでご飯を食べていた自分の箸で脂身を持ち上げます。

少しさめてるけど、ぷるぷるとした見るからにまろやかそうな一片。

天使「ばかっ! すき焼きだけでもカロリーオーバーなのに、何を
    考えてるの??」

悪魔「そうだよ、お前は長年、これを夢見ていた。知ってるさ」

天使「ダメ! 明日の朝、吹き出物ができてあなたは悔やむことになる・・・」

悪魔「へへん! この前買ってきた化粧水・メタボライザー(IPSAの名品)が
   あるから大丈夫だろ!」

天使「メタボライザーじゃないわ。これはメタボメーカーよ!」

こんな葛藤を1秒ほどで終え、私は箸をそのまま口元に運びました。

やわらかい・・・そして甘くとろけるこの感触(エロめのキスシーン風(笑))。

そのまま口の中へ。

やっぱり、思ったとおり、美味しい…少しさめていたのが残念だけど
それでも十分に、美味しい、夢のひとくち。
すき焼きにこれほどふさわしいデザートがあるでしょうか。

…すべてを味わい尽くした私が、何事もなかったようにお鍋を洗い、お皿も
洗い、テーブルをきれいにし終えたころ、彼がお風呂から出てきました。

「おお、全部片付けてくれたんだー(普段はほったらかしも多い(笑))。
ありがとねー。気利くじゃん」

「当たり前じゃない。こんなに美味しいすき焼き、ありがとう」 

こうして私の長年の夢は、今日の午後に静かにかなえられ、確かな満足感と
彼への嘘を残していったのでありました。
by tohko_h | 2009-08-10 00:01 | eating&drinking