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「水着のヴィーナス」 宇佐美游

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「水着のヴィーナス」宇佐美游
女の人たちの本音を描いた
短編集。きれいごとだけじゃ
生きていけない現実を、
描ききった1冊。
時々居酒屋で、声があまり
小さくない女子が、ものすごく
濃い話を始めちゃったのを
うっかり最後まで聞いてしまった
ときみたいな読後感(野次馬根性
を程よく刺激され、でもちょっと
疲れたーみたいな)。


「愛される女」
地方都市の有職主婦。夫とはもう寝たくないけれど、東京から来た
エリート上司に抱かれたいという下心がどんどん膨らんで…
愚鈍に見えていた夫の意外な一面が面白くて怖いオチ。

「東京タワー」
黒服と同棲しつつ、もう一度返り咲きたいと思っている少し地味な位置に
甘んじている銀座のホステスは、東京タワーの見える部屋に住む男を狙う。
これは割りと結末が半ばで読める展開。

「水着のヴィーナス」
高級スイミングクラブに通う女性たち。グループ同士の対立、インストラクターに
誰が好かれてるかの嫉妬などが今日もロッカールームに渦巻いて…
新規会員と古参の反駁とか、職場や学校でも似た経験をした人は多いはず。

「男娼」
タイに住むいとこのところに息抜きで遊びに行った主婦は、夜の街で、
ステージで裸をさらし体を売る青年と出会い…山田詠美あるいは
岩井志麻子風のお題。リゾラバって言葉、今の若者は知らないだろうな。

「娘の部屋」
2年ほど音信不通だった娘に会いに東京に出てきた父親。かわいくない
わけではないが、男にだらしないところや、かつての「病」が心配で…
サントリーのウイスキーのCMを思い出した。

「雪の夜のビターココア」
不倫をしているOLが、疲れてしまう前に普通の恋をするべきか、自分
なりに悩み、選択し、そして前を向いて歩き出そうとするが…最後の
幕切れが切ない。ふくらませればドラマで見たい。





 
by tohko_h | 2009-12-06 23:00 | reading