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2007年 06月 12日 ( 1 )

独断流「読書」必勝法

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独断流「読書」必勝法 
清水義範・西原理恵子
作家・清水義範と漫画家・西原理恵子が
贈る、名作文学ブックガイド!
清水先生の解説は、作品が成立
したころの時代背景や書かれた当時の
作家の立場に丁寧に触れているので
すんなりわかりやすいし、
そんなの知るか!という感じで好き勝手
書いてるようで、西原さんの漫画は、
その作品の本質(といってもテーマとか
じゃなくて、実際に読んでて感じられる
いやらしさとか気持ち悪さとか)を、あっさりとひとことやひとコマで
言い切ってしまうのがお見事。

「坊ちゃん」の中で、漱石自身は主人公の坊ちゃんじゃなくて赤シャツの
モデルだった、とか、「ガリバー旅行記」の最終章は、「家畜人ヤプー」風の
かなりブラックなお話だったとか、清水先生の文学ウンチクにうなずきつつ
「伊豆の踊り子」の学生さんを「ストーカー」、ガリバーの旅行記については
「体中を小人がはいずりまわる→覚せい剤 巨人が襲ってくる→シンナー
空を人が飛ぶ→LSD 馬が人の言葉をしゃべる→電波」と言い切っちゃう
西原さんの素っ頓狂に見えて実は説得力のあるマンガに大きくうなずきつつ
読みました。そーか、ガリバーの「旅行」って、トリップだったのか(笑)!
他にも、「金閣寺」「細雪」「谷間の百合」「罪と罰」などなど、東西おりまぜて
タイトルと作者名は知ってるんだけど読んだことないよーという小説を
たくさんとりあげてくれているので(しかもありきたりじゃないツッコミつきで!)
ちょっと読んだあとは賢くなった気分にも浸れます。一時はやった「あらすじで
読む文学」とは全然違います(あれは読書しないで知ったかぶりするための
ものとしか思えないんだけど、この「必勝法」は、ストーリーを知るためでは
なく、作家が何を言いたかったか考える、という意味ではとってもまじめに
文学に取り組んでると思いました)。すばらしい文学漫才の誕生です!
by tohko_h | 2007-06-12 23:22 | reading