人気ブログランキング |

2007年 08月 01日 ( 2 )

a0079948_0393621.jpg
「ヴァーチャル日本語 役割語の謎
(もっと知りたい!日本語)」

金水 敏
現実には存在しなくても
いかにもそれらしく感じてしまう
ヴァーチャルな「役割語」に
注目した1冊と書くと、堅そうですが…
こんな言い回し、マンガや小説で見たこと
ないですか?
「私中国人あるヨ」という、実際にそんな
ことを言ってるチャイニーズはいないのにポピュラーなフレーズとか。
お嬢様は「よろしくってよ」と言うとか、赤ちゃんは「でちゅ」って言うとか…
そういうキャラクターのお約束的言葉遣いを研究したのがこの本です。
実際に、老人男性が「~なのじゃ」というところを見たことがないけれど、
マンガの中では皆そう言ってる(「ちびまる子ちゃん」しかり「YAWARA!」の
おじいさんの「~なのぢゃ」というのも例に出てた(笑)。波平の「バカもん!」も
リアルにはあんまり聞く機会なさそうだし)、みたいな具体例がたくさん
出てくるので面白いです。お嬢様語はお蝶夫人とかね。そこから更に
吉屋信子の少女小説のお嬢様語の研究まで展開していきます。
翻訳文学において、黒人や奴隷など身分が低い人たちが出てくると
彼らのセリフはとても田舎くさい方言(関西と北関東を混ぜたりとか
とにかくなまってればなんでもいい!みたいな)で訳されてることが
多い、とか、目からウロコでした。

関西弁について解説している章で、昔、江戸の人は関西のほうの人を
勝手に失礼に見下していて、そういう土壌があるから、関西の人は
がめついとか貪欲だっていうイメージを伴って関西弁をしゃべるっていう
設定を押し付けられ、関西弁=どぎつい、みたいな偏見が長年続いた、
これも役割語的錯覚みたいなものだ!みたいな話が出てたんだけど
「そんな偏見が変わったのは、お笑い芸人の東京進出で、関西弁に
対して東京の人も親しみを持つようになった。更に、関西弁がカッコいい!
というイメージチェンジをしてしまったのは、Kinkikidsという歌えて踊れて
もちろんカッコいい、というアイドルの出現によるものである
。と
書いてあって、ちょっとウケつつ、言語心理学的にキンキがそんな影響力が
あったなんて!と嬉しかったりも。
言葉が偏見やイメージを固定するのか、偏見やイメージが言葉を
決めるのか、興味深くアレコレ考えちゃいました。

ちなみに、この本を書いた先生が「僕」という男の人と「俺」という男の人、
どっちが好もしいか、とアンケートをとったところ、

一人称が「俺」のほうが、人気があったそうです! SMAPの歌の一人称は
「俺」が多いけど、Kinkiは「僕(ボク含む)」が多いよなーそういえば(笑)。


a0079948_0404291.jpg
「残虐記」
桐野夏生
35歳の女性作家が失踪した。
「残虐記」という原稿を残して…
それは、25年前に彼女が遭遇した壮絶な
誘拐・監禁事件を描いた物語だった。
という、インパクト特大の出だしで始まる
桐野夏生の小説。文庫版が出たので
買ってみたけど…怖くて途中で読むのを
やめようと思った。「グロテスク」もそうだけど
桐野さんは、その場に溶け込めない人間が
浮いた姿のみじめさ、哀れさを容赦なく描く。
ヒロインをさらった犯人は、格差社会の
負け組的な冴えない男。
彼の孤独に巻き込まれて、1年間監禁されて
暮らしているうちに、少女は変わっていく…
監禁生活より、事件が終わってからのほうが少女が傷つく、
みたいな描写が何より怖い。デリカシーのない捜査関係者、
ヒステリックに庇う親、興味本位で薄ら笑いを浮かべつつ
「よかったね」と擦り寄ってくる近所の人たち…彼らにあるのは
悪意ではなく、純粋な好奇心である。例えばこの前、ある事故があった
お店に「私もあのお店よく言ってたから怖いわ」とブログで書いて
自分から事件の関係者ぶりたがったアイドルなんかもそうだと思うけど
自分が傷つかない範囲で当事者の気分を味わいたいのだ。
「ウチの団地にね、あのさらわれた子いるのよ!」としゃべりたいだけ
だったんだと思う、主人公の周囲の人たちも多分。そういう周囲も
ブキミだが、ヒロインの中で化け物のように育つ毒々しい妄想も
グロテスクで腐臭に近いエロチシズムさえ帯びている。
つまり、これは、監禁事件を描いたわけではなく、監禁されたことによって
「何か」になってしまった女の物語である。その変貌振り、薄ら寒さが
クールな筆致で浮かび上がってきて本当に怖い。読み終わったとき、
もう彼女のことを考えないでいいんだ、と思ってホッとした。
落ち込んでるときに読んだらヤバい(私はこの日、1年に1回もない、
というか一生一度くらいのいいことがあったんだけど、一瞬それが
吹き飛びそうなくらい凹みました)。
桐野さんはあんまり相性よくないし怖いんだけど、やはり新刊とか見ると
チェックはしちゃうんですよね・・・
でも、もう2度と読みたくない。読んでいる間、寝てもいないのに既に
うなされてるような心理状態に陥ってしまいました。


a0079948_042172.jpg
「うつくしい私のからだ」
筒井ともみ
以前からシナリオライターとして
活躍していたけれど、最近は
「食べる女」シリーズなど、
小説家としてもノッている筒井さんの
「からだ」のパーツをテーマにした短編集。
「まぶた」「頬」「手首」などのパーツに
特徴や個性、悩みを持つヒロインたちの
恋愛を描くオムニバス。からだがテーマ、
ということでかなり性的なお話が多いの
かな、と思ったのですが「食べる女」シリーズと
比べて、セックスの要素はさほど強くない。
普通の恋愛小説集としてなかなかの読み応え。
都会の働く女性の描写は生き生きとしてるけど
専業主婦がヒロインのお話は精彩を欠いたものが
多かったような…やはりご自身も働いていて
テレビ業界とかでキャリア系の女性と接する機会が多いからかな。

マンガの単行本は、
「サプリ」6巻(おかざき真理) 凄く気になるところで作家が産休入り。
                   早く続きが読みたい~

最近、雑誌のほうで面白いのがいくつか。

「鏡をみてはいけません」(鴨居まさね) 田辺聖子の小説を鴨居さんがマンガ化。
                         YOUで連載が始まった。
                         会話の妙、女性の心理描写など過不足なく
                         雰囲気が再現されてて、このコラボを
                         思いついた編集さんもすばらしいと思う
                         (鴨居さんご自身なのかもしれないけど)。

「ウランバナ」(勝田文) コーラスで連載開始。お寺の隣の少女がインドの
               王子様に憧れて…という荒唐無稽そうな話も
               勝田さんにかかるとなんともいえずおっとりと可愛くて、
               これで、「プライド」以外にもコーラス読むお目当てができた。

「ポケットの中の奇跡」 (大和和紀) KISSで新シリーズ開始、とのこと。
                       今回の話は、硝子のカケラを拾った
                       幸薄く世をスネたような少女が、ある出会いに 
                       よって、本当に美しく幸福になる(しかし
                       ものすごい努力を伴って)といういいお話。
                       うっかり泣きそうになりました。大和さんは
                       お話もいいので、原作つきより、オリジナルの
                       ほうが完成度も高いし嬉しい(「紅匂ふ」や
                       伊集院静が書いた夏目雅子との馴れ初め話の
                       マンガはあまり好きじゃなかった)。
by tohko_h | 2007-08-01 23:59 | reading

a0079948_361435.jpg

写真だとお伝えできないのですが、このせいろ料理、豪華なんです。
普通にお湯を沸かして蒸すところを、鍋でカツオだし(インスタントですが)を
入れて沸騰した所でせいろをセット。

せいろの中は、水菜(スーパーで売られてるひとかたまりをぎゅうぎゅうに
つめて)と豚のしゃぶしゃぶ肉と、特売だった鯛のお刺身4切れ(パックの半量。
後の半分はヅケにしてご飯と食べるのが楽しみ!)を乗せて蒸して
ポン酢で食べました。

せいろ蒸し、面白いです。意外な組み合わせだけど味噌マヨネーズで食べたら
美味しかったのが、シャウエッセンとナスを一緒に蒸したもの。
by tohko_h | 2007-08-01 03:09 | cooking