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2007年 08月 04日 ( 1 )

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「舌の記憶」(文庫版)
筒井ともみ
シナリオライター、最近は
作家としても大躍進中の
筒井ともみさんのエッセイが
文庫になりました。
タイトル通り、主に少女時代に
食べたものとそれにまつわる
記憶を味とともに思い出す、
という、食べ物系哀愁エッセイです。
著者は、小学校から成城学園、
幼いころからバイオリンを習い、
病弱で食の細い少女だったそうです。家族は
母親と、俳優のおじとその妻で女優のおば、という構成。
個性的な大人たちの間で、彼らの表情や喜怒哀楽を一生懸命
読みながら、時には子どもらしく、時には大人の女性のように冷静に
暮らしてきた日々が、食べものの思い出とともに綴られています。
林真理子さんの傑作グルメエッセイ「食べるたびに、哀しくって…」が
地方出身の女の子が東京に出てきて、都会で1人暮らしを始め
好きな男の人とご飯を食べて、というお話なのに対して、こちらは
東京の女の子の少女時代、という感じ。エキセントリックなおばや
自分勝手なところもあるけれど色気のあるおじなど、ちょっと
ドラマみたいな筒井家の食卓をのぞいてみませんか?

巻末にレシピがちょこっとくっついているのがちょっと嬉しかったり。
夏のすいとん(だし汁になすと茗荷を入れる)とか、鴨とクレソンの鍋、
とか、さんま入り湯豆腐、とか、なんだかシンプルでおいしそう。
同じ著者の小説「食べる女」シリーズにもこの料理出てきたかも、と
読み比べるのも楽しいかも。
小説だとちょっと過剰に書き込みすぎだなーと私の好みより濃い目の
筒井作品ですが、エッセイは程よく枯れていて良かったです。
by tohko_h | 2007-08-04 10:27 | reading